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二章 第三十五回

 宅急便が上山の自宅に届いたのは、次の日の夕方だった。

「ああ、どうも…」

 配達員が差し出した伝票に認めのサインをしてドアを閉めると、上山は届いた小箱を、さっそく開けた。中には滑川なめかわ教授のメッセージと、マヨネーズが一本、入っていた。上山は、これだな…と瞬間、思った。

━ 上山君、君に云っとったマヨネーズだ。外観はどこにでもあるマヨネーズだが、実は、どうしてどうして。そんじょそこらにあるマヨネーズではないのだ。君に云っとった中位相物質なんだよ、それは。幽霊のナントカが手にした瞬間、フツーの我々人間の目から消滅する。むろん、君はフツーじゃないから、君の目から消えることはないんだがな。それと、そのマヨネーズは霊界の者が手に出来る、というのが他の物質とは違うんだ。霊界の者が直接、肌で感じることが出来る訳だ。さっそく幽霊のナントカに渡して、日々の変化を記録してもらいたい。期間は一週間から十日ほど見ておこう。その後、私の方へ連絡してもらいたい ━

 読み辛い特徴のある字で、滑川教授のメッセージは走り書かれていた。上山はさっそく幽霊平林を呼び出すことにした。だから当然、首をグルリと回した。その瞬間、まるでマジックのようにパッ! と幽霊平林はおどり出た。

『ああ! 出来ましたか…』

「今、届いたところだ。これ、君に渡すよ」

 そう云うと、上山は送られてきたマヨネーズを幽霊平林の前へ突き出した。彼はそれをスンナリと受け取った。いや、受け取れた・・と表現した方がいいのだろう。常識に従えば、スゥ~っと透過する幽霊が人間界の物を手にすることなど不可能なのだ。幽霊平林がマヨネーズを手にした刹那、上山はそのマヨネーズがまぎれもなく中位相物質に変化した物だと確信した。

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