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二章 第三十四回

 滑川なめかわ教授はその足で、すぐ宅急便会社へ行った。

「あのう…、これ一本ですか?」

 宅急便会社の窓口で、女性係員は、どこにでもあるマヨネーズ一本を見て、怪訝けげんな表情でそう云った。

「おお、そうだが、何か不足か?!」

 女性係員は教授に威圧され、激しく首を横に振った。

「そうだろう…。ならばいい。ああ、便箋か何かの紙を一枚、もらえんかのう」

「…? い、いいですよ」

 女性係員は便箋ではないものの白紙のA4用紙を一枚、教授へ手渡した。そして、細かい必要事項を馴れた事務口調でスラスラと云った。滑川教授は云われたとおり依頼書へ書き込むと、料金を支払った。さらに、白紙のA4用紙にも上山へのメッセージを走り書き、女性係員へ手渡した。

「これで、いいですか?」

 小箱にマヨネーズと用紙を収納し、女性係員は了解を求めた。

「おお、結構結構!」

 滑川教授は白衣のポケットに両手を突っ込んで、満足そうにそう云った。

「じゃあ、指定日時までに配達します」

「ああ、頼みおく」

 料金を支払い、古めかしい言葉で教授はそう云うと、外へ出ようと引き戸を開けた。その瞬間、後ろから、「変な客…」とつぶやく声が教授の耳に飛び込んだ。

「んっ? 何か云ったかな?」

 滑川教授は振り向きざま、ギロッ! と女性をにらむと、そう云った。

「えっ? いえ、別に…」

 女性係員は取り繕った笑顔で、あわてて弁解した。

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