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二章 第十七回

「そうだが、怖くないのかね、君は? 科学者の私だって、こんな夜分にゃ、少し怖いぞ」

 まったく怖がらない上山に、教授は、━ この男、ただ者じゃないぞ ━ と、少し不気味さを感じた。

「いやあ…、この前云ったと思うんですがね。あっ! すみません。あれはつくだ教授でした」

「…どういうことかね?」

「実は、私には死んだ部下の霊が見えるんですよ」

「ははは…。馬鹿を云っちゃいかん。心霊学を科学で解明しようと研究しておる私にだって、そんな子供の作り話のような、まやかしは信じられんよ。霊動学の佃君は、どう云っとったんだ?」

「佃教授は信じて下さいました。ちょうど、霊動反応があり、霊動探知機の針が振れた、ということもあったからなんですが…」

「佃教授のところにある霊動探知機は、うちのものより格段と性能がいいからなあ。日々、ゴーステンの配合が研ぎ澄まされるように変化しておるでのう…」

「はあ、それはまあ、そのようですが…」

「少し解けてきたぞ。と、いうことか…。おお、恐怖心も少し引いていくのう。こうして落ちつくと、その青火も、どこか神秘的に美しく感じるから不思議だわい…」

「多少はお分かりになって戴けたかと存じます」

「ああ、まあな…。で、今日の用件は何じゃ? 暗うなってきおったから、そろそろしまおうと思っておった矢先でな」

「はい。今の話と関連があるのですが…」

 上山は手に持ったかばんから、ハンカチに包んだ舞台寺ぶだいじの土を取り出した。

「なんだね、それは?」

「…土です」

「土は分かっとる。その土が、どうかしたのかをいとるんだっ!」

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