15話 恋という苦難
外出先で話を書こうとすると、結構まずい
「あ、え、そ、そっか…」
手と声が震える、顔が熱い、心臓の鼓動がうるさい
「そんな怖がらないの、それはおかしい気持ちではないんだから、否定しようとしないで、受け入れるんだ」
いつの間にか隣に来ていたファントムにそう言われ、自分がこの気持ちを閉じ込めようとしていたことに気づく
「そうだよね、そうなんだ、私、カルマが好きなんだ」
それはレノヴァにとって初めて感じる気持ち恋を自覚したからには今までとは違う目で見てしまう
「あ、レノヴァ?…まっずいかなぁ」
レノヴァは一人でぶつぶつと独り言を言い始めてしまった。
「どうしたもんかなぁ…そうだ」
今までの全てが書き換わるなかファントムのひと言で現実に引き戻される
「あ、カルマさんだ」
「ひゅっ!?」
ちらりと窓の外を見るとアリスと歩くカルマがいた。い、今カルマと会いでもしたらどうかってしまいそうな私は窓の外を見ないように目をそらす。
「とりあえずこういうときはクレメンタイン様のとこをに行くのがいいよ、行こうか」
どういうわけでそうなったか冷静に考えればわかることなのだが今のレノヴァには判断能力が消し炭になっているのでそのままついていくのだった
「ほーう、ほうほう!ほーーーう!」
「実に微笑ましいですね」
その話を聞いたクレメンタインとフェルニルは息子の恋バナを聞くかのような目で見つめる
「それで、我々は何をすれば?」
「その、しばらく泊まらせていただけると…」
「カルマと会わなくていいのか?」
そんなことをしたら顔が赤くなるのは確定だし、変な対応をしてカルマを傷つけたくもない
「ふむ、構わんがいつまでだ?余り時間を空けるとそれはそれでカルマが心配するぞ」
「取り敢えず一日いさせてください」
「よかろう、部屋は用意させるがゆえそちらを使え何かあったらメイドや執事がおる、そちらを頼れ」
取り敢えず今日のところは心を落ち着かせる場所ができた
「ありがとうございます。本当に、助かりました」
気にするな、と短く言い残しクレメンタインはメイドさんに私を任せ仕事に戻った
「あれ、この前も会いましたよね?」
案内を任されたメイドさんは見覚えがあった、確か、依頼を受けた時に案内してくれた人だ
「あら、覚えてくれていたのですね、嬉しいです」
「こちらが今日ご用意したお部屋です。お入りください」
丁寧な仕草で扉が開かれた
内装は宮廷らしく小さな椅子と机で本が読めそうな場所と大きなベッドと窓が目立つ仕様だ
「さて」
「ご相談を、と承りましたので座らせていただきますことをお許しくださいね」
そう言うとメイドさんは椅子に座るよう促し対面に座った
「一応貴方から聞くようにと言われましたので内容は知らされていませんが、その感じは恋のお悩みですかね?」
どうやら相当恋にやられたレノヴァがどうにかしてカルマのもとに帰れるように、と色々と手配してくれたらしい
「図星のようで、ではここからはメイドではなく私、アリアがお相手しますね」
メイドさん改めアリアさんはメイドの表情を崩しお姉さんのような口調で話を進める
「それで、お相手はどちらで?」
「カルマ。です…」
まぁ、と口に手を当てて驚きの表情をつくったアリアは微笑んで話しかけてくる
「まぁ、まぁ!確かにお似合いのお二人ですね!それで、なにが不安なんです?」
そうしてアリアとの対談が始まった




