コミカライズ更新告知SS
77-2話 73-1話(先行)公開です!
ユンボが仕事後の水浴びを終えてユルトへと帰っている時だった。
川の側で作業をするナルバント達の姿が視界に入る。
ナルバントと十数人の洞人族達が、それぞれ何か似たような……木製の樽のようなものを作っているようだ。
一体何事だろう? 首を傾げながら近づくと、それに気付いたナルバントが説明をしてくれる。
「おお、これは蒸し風呂用の仕掛けじゃのう。
イルク村は毛で覆われているもんが多いからのう、そこまで熱し過ぎず、しかししっかりと蒸し上げて、綺麗に汚れを落とすもんを作れんかと試行錯誤しておるのよ」
ははぁ、なるほどとユンボは頷く。
湯浴みは好きだ、蒸し風呂のようなものも味わったことがある。
しかしどうしても全身を覆う体毛のせいで、すぐにのぼせてしまうという問題があり、心底から楽しめたことはない。
それをナルバント達はなんとかしようと考えてくれているようで、樽やら箱やら、多種多様だ。
たとえば樽、これはどう使うのだろうか? 覗き込んでみるが……ただの樽にしか見えない。
「試してみるか? すぐに蒸してやるからのう」
……ユンボはすぐに楽しめるのなら悪くないかとこくりと頷いて、ディアスでも入れるような大きな樽の中に入る。
すると樽の中央に椅子が置いてあり……そこに座るとドアが閉じられ、ナルバント達がどこかで着火作業を始める。
すると周囲全体から蒸気が吹き出てきて……それでユンボのことを蒸してくれる。
しかし暑すぎる訳ではない、蒸気がまるで霧のように細かく柔らかで、そのおかげかゆったりと熱を楽しむことが出来る。
おお、これは悪くない……毛皮の自分でも楽しめると思っていると、周囲の壁が何故かぐるぐると回転し始める。
どういう仕組なのかぐるぐるぐるぐる、回転しながら蒸気を吹きかけてきて……なんだか鬱陶しい。
一体何故回転する必要があるのか、なんでそうも激しく蒸気を叩きつけるのか……?
その答えは回転終了後、樽から出ることで明らかになる。
全身の、毛の奥から毛先にいたるたでの汚れがすっきりとれていて、体毛が輝いている。
初めて見る美しさ、艷やかさ……回転がどういう訳だか汚れを落としてくれたらしい。
「どうじゃ? これぞ最高の蒸し風呂ってもんじゃろ? オラ共のヒゲもこれですっきり綺麗よ!」
と、ご機嫌でナルバント。
ソレに対してユンボは……両手で大きなバツ印を作り出し、毛は綺麗になったけど落ち着けないし目が回るしであんまり良くないことを伝えてから、がっくりと肩を落とすナルバントを置いてその場を後にするのだった。
お読みいただきありがとうございました。
樽サウナ+洗濯機的な






