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領民0人スタートの辺境領主様 外伝集  作者: ふーろう/風楼


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コミカライズ更新告知SS

78-1話 78-2話(先行)公開です!!



 今日は特に用事もないので、鎧の手入れをしようと思う。


 攻撃を弾いてしまう鎧……ハンマーで叩く際にもそれが発動するようで、ようするに勢いよく何かを近付ける行為が良くないらしい。


 なので手入れをする時も手をそっと近付ける必要がある、汚れを取るための布も同じだ。


 錆びる心配はなさそうだが、それでも油を塗ろうと思うと、その油もそっと近付けなければいけないし……水洗いをする時も、上からばしゃりとかけようものなら弾いてしまって、こちらがびしょ濡れになる始末だ。


 だから慎重に……ゆっくりゆっくり手を伸ばし、そっと油を布で塗りつけていく。


 錆びないのだとしても、輝きの問題があるし、汚れを弾いてくれもするから念入りに……パーツを一つ一つ磨いていく。


 いつも助けてくれているし、神々から下賜されたものでもある……そしてナルバント達が苦労して作り上げてくれたものだから、感謝をしながら丁寧に、しっかりと。


「んお!?」


 しかしどんなに気をつけてもミスをする訳で、兜を持ち上げた時に油が手についていたのか、ツルッと滑って落としてしまって、慌てて拾い上げようとするとそれを攻撃と判断されてしまい、兜が力を発動させる。


 私の手と、落下途中の兜、それがぶつかり合って弾かれるとどうなるか、当然兜の方が弾き飛ばされる。


 そうして兜は見事にユルトの外へと飛んでいってしまって、ユルトの外からも驚く人の声が聞こえてくる。


 慌てて立ち上がり、追いかけると、村の皆に弾かれてどんどん遠くていってしまう兜が視界に入り込む。


 慌てて受け取ろうとしたり、防御しようとしたり、飛来する兜から自分を守ろうと手を振り上げたり、そうしてポンポンポンと兜が舞い飛んでいく。


 ……そしてまるで導かれるように小川へと向かい、ばしゃんと水音。


 水面に着水する瞬間は弾いてくれるが、すぐに勢いを失ってただ沈むだけでは攻撃とみなされることはなく……兜はあっさりと小川に沈んでしまう。


 と、その時、たまたま通りかかったのかゴブリンの若者が兜を手にばしゃりと姿を見せる。


「おう、落とし物かい? 川底をよく見てみたら他にも兜があったぞ? 片方はきんきら、片方は錆鉄……さて、どっちだ?」


 そして大きな口でそんなことを言ってきて……私は金色の方だと言って兜を受け取る。


 水と泥にまみれて、手入れし直し確定の兜を……。


 そうして私はがっくりと肩を落としながら、手入れをし直すためにユルトへと向かい……結局この日は、三回程、兜を落としてしまい、似たような惨事を繰り返すことになってしまうのだった。


お読みいただきありがとうございました。


鎧大活躍!

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― 新着の感想 ―
機能のオンオフが出来ないと整備も大変やなw
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