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領民0人スタートの辺境領主様 外伝集  作者: ふーろう/風楼


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コミカライズ更新告知SS

76-2話 77-1話(先行)公開です!



――――竈場で ユンボ



 ある日のこと。


 ふと思い立って、ある料理が食べたくなったユンボは竈場へとやってきていた。


 イルク村に来てから色々な料理を食べてきたが、アレに近い料理は中々食べたことがなかった。


 せめて……せめて形と味の組み立てだけでもとその料理の準備をし始める。


 まずは小麦粉で皮を作る、薄く丸く伸ばし包みやすいように。


 それで包むのはひき肉と野菜と香辛料、完全再現はできないまでも、あの料理に近付けるよう自分なりの工夫をしていく。


 ネギや香辛料の割合を上手く調整し、塩コショウもしっかり効かせ、後は形さえ整えればそれっぽくなる。


 ……と、そんな事を考えながら作業を進めていると、たまたま通りかかったアルナーが、その作業を覗き込んでくる。


「……なんだ、何を作っているかと思ったらダンプリングか。

 ダンプリングならアレだぞ、チーズや果物もいれないとな。

 特に干し杏を入れると美味しくなるんだ、チーズとの相性がよくてなぁ」


 そしてそんなことを言ってきて、ユンボは思わず違う違うと首を左右に振る。


「いや、ダンプリングだろ? 甘酸っぱくトロトロに仕上げてこそだろう?

 ……違うのか? 香辛料やニンニク多めで、塩コショウ? 最後に酢タレをかける??

 ふーーむ……あまり知らない組み立てだが、お前がそこまで言うのなら、その方向で手伝ってやろう」


 ユンボが求める料理と、アルナーが言うダンプリングは似て非なる料理だったのだが、それでもアルナーはユンボがそう言うのならと前向きな姿勢を示してくれて……そうして二人での試行錯誤が始まる。


「……なんでそんな三日月のような包み方にするんだ? 丸く包めば楽なのに。

 ……まぁ良いが、変なこだわりだなぁ」


 と、そう言いながらもアルナーは最後の包み作業までやってくれて……そして最後の調理が始まる。


「焼く? 揚げるのではなく?

 まぁいいが……皮がカリカリになるように? また無茶な注文を……」


 そう言いながらもアルナーは見事な手腕で焦げさせることなく焼き上げてくれて……皿にも綺麗に盛り付けてくれる。


 そうして実食タイム。


 理想のタレは作れなかったが、それでもアルナーがそれっぽく仕上げてくれて……それで食べてみると、理想通りとは言えなかったがとても美味しく、満足できる内容となっている。


 皮の中でうなる肉汁、これでもかと香る香辛料、美味しい肉の味わい。


 その全てがたまらなくてユンボはなんともごきげんとなり……それからしばらくの間ユンボは、毎晩のようにその料理を食べたいとアルナーにリクエストをし続ける。


 それでもアルナーは嫌な顔一つせず用意してくれて……そうしてユンボはしばらくの間、腹いっぱいに前世でギョウザと呼んだその料理を堪能するのだった。


お読みいただきありがとうございました。


忙しいときは飯ネタに走りがち

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― 新着の感想 ―
以前から思ってました、 「現実のコミカライズ担当漫画家・ユンボと、  外伝のコミック画家・ユンボ。  同一人物で面白い」 > そうしてユンボはしばらくの間、腹いっぱいに前世でギョウザと呼んだその料理…
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