第68話 合同捜査
死告鳥の襲撃事件を受け、王国騎士団と大陸冒険者ギルドは合同捜査本部を設置した。
指揮を執るのは、騎士団長アーサー。
冒険者ギルド王都支部も全面協力し、王都全域を対象とした大規模な捜査が始まる。
情報屋。
酒場。
裏社会。
盗賊崩れ。
地下水路。
廃屋。
王都中へ密偵を放ち、死告鳥の行方を徹底的に追った。
しかし。
成果は、ほとんど得られない。
死告鳥は姿を見せない。
痕跡も残さない。
捕らえられれば自害し、依頼人はもちろん、仲間の情報さえ決して口にしない。
まるで闇そのものだった。
アーサーは思わず眉をひそめる。
「ここまで徹底しているとは……」
ギルド支部長も険しい表情で頷いた。
「裏社会でも、ここまで正体を掴めない組織は稀です」
「さすがは『死告鳥』ですね」
捜査が難航する一方で、事件は止まらなかった。
王都周辺では、冒険者暗殺事件が相次いで発生。
狙われるのは、いずれも腕利きの冒険者ばかり。
銀ランク。
金ランク。
王都を支えてきた実力者たちが、次々と命を落としていく。
冒険者たちの間にも動揺が広がり、依頼を辞退する者まで現れ始めた。
「一刻も早く止めねばならん……」
アーサーは焦りを隠せなかった。
それから数日後。
一人の情報屋が、息を切らしながら騎士団本部へ駆け込んできた。
「見ました!」
「地下水路です!」
「夜中に黒装束の集団が、使われていない地下水路へ出入りしていました!」
静まり返る会議室。
アデラーンが静かに口を開く。
「……派手に動いたのが仇となったな」
その一言に、全員の視線が集まる。
「これほど騎士団とギルドが動けば、どんな組織でも綻びは生まれる」
「ようやく尻尾を見せたか」
アーサーは力強く頷いた。
「ああ」
「総員、地下水路へ向かう!」
その号令を合図に、騎士団と冒険者ギルドは地下水路への調査隊を編成する。
裏社会最悪の暗殺者組織――『死告鳥』。
ついに、その本拠地へ迫る時が訪れようとしていた。




