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# ローズフィールド王国 三大流派


ローズフィールド王国には、数百を超える武術流派が存在する。


その中でも、長い歴史と実績を誇る三つの流派は**「王国三大流派」**と称され、王国中にその名を知られている。


騎士や貴族の多くは、この三大流派のいずれかを修め、王国騎士団でも広く採用されている。


一方、ベルフォン村に古くから伝わる**魔剣流**は地方流派に過ぎず、王都ではほとんど知られていない。


しかし、その実戦能力は三大流派にも決して劣らず、知る者からは


**「王国屈指の実戦流派」**


と評されている。


---


# アルベール流


**流祖:アルベール・アルディス**


王家御用達。


王国騎士団正式採用流派。


攻守の均衡を極めた王道剣術。


礼節と騎士道を何より重んじ、美しい型と理論を代々受け継ぐ。


宗家は代々アルベール家当主が務め、王国剣術界の中心的存在として君臨している。


現代最高の使い手は、


**王国騎士団長・聖騎士アーサー**


アルベール流五段。


現代アルベール流最強の最有力候補と称され、数少ない光の魔法剣の使い手でもある。


---


## アルベール流五大套路


### 蒼龍一路そうりゅういちろ


龍が大地を這うように、ゆっくりと身体を巡らせる套路。


立身中正。


脱力。


身体を練ることを目的とした、アルベール流すべての基礎となる套路。


---


### 猛虎二路もうこにろ


虎のような俊敏な動きを学ぶ套路。


一路で鍛え上げた身体から、


**零から百まで一瞬で力を伝える発勁**


を修得する。


---


### 飛鶴三路ひかくさんろ


鶴が舞うような軽やかな歩法。


間合い。


受け流し。


重心移動。


相手の力を利用する術理を学ぶ套路。


---


### 迅雷四路じんらいしろ


雷のような踏み込み。


豹のような俊敏な連撃。


攻撃を止めることなく畳み掛ける、実戦を想定した套路。


---


### 玄武五路げんぶごろ


攻防一体。


これまで学んだ四路すべてを統合した、


**アルベール流最高峰の套路。**


---


## 光の魔法剣


光魔法を刀身へ付与する高等魔法剣。


魔素を分解し、その際に発生する莫大なエネルギーを利用する。


### 主な効果


・魔素の分解


・魔物への高い有効性


・闇魔法の分解


・魔力障壁の分解


・瘴気の分解


・聖なる光による照明


なお、人の怨念や執念によって成立する呪いには効果を持たない。


アーサーの光の魔法剣は高位光魔法の域に達しているが、大聖女ミュゲ・ジプソフィルの光には遠く及ばない。


---


# グランツ流


**流祖:レオン・グランツ**


速度と技巧を極めた流派。


軽快な歩法。


華麗な連撃。


その美しい剣筋から、


**「舞う剣」**


と称される。


演武としての完成度も非常に高く、貴族社会から絶大な人気を誇る。


---


# バルディア流


**流祖:ガレス・バルディア**


膂力を極めた豪剣術。


大剣。


重装備。


圧倒的な破壊力。


その豪快な戦いぶりから、


**「力の剣」**


と称される。


軍人や近衛騎士から絶大な支持を受ける実戦流派である。


——


# 魔剣流


**先代宗家**


ロラン(八段・範士師範)


**現宗家**


アデラーン


(本編:五段・大師範)


(エピローグ:六段・練士師範)


ベルフォン村に古くから伝わる地方流派。


王都では無名に等しい。


しかし、その実戦能力は王国三大流派にも決して劣らない。


魔王討伐隊の暗黒騎士アデラーンが受け継ぐ、


**王国屈指の実戦流派**である。


---


# 魔剣流の理念


魔剣流とは、


**「弱き者が強き者を打ち倒す流派」**


そして、


**「弱き者を護るための流派」**


才能ではなく努力を信じる。


基本を極める。


己を鍛え抜く。


大切な人を護るために剣を振るう。


それこそが魔剣流である。


---


# 魔法剣と魔剣流


多くの流派では、


火・水・風・土・光の魔法剣を奥義として修める。


しかし、歴代魔剣流宗家は誰一人として魔法の才能に恵まれなかった。


そこで、


**魔素を直接魔力へ変換する技術**


を極限まで発展させた。


それが、


・暗黒


・暗黒剣


・暗黒魔剣


・魔神剣


へと進化していく。


魔法が使えなかったからこそ、


魔剣流は独自の進化を遂げたのである。


---


# 魔剣流基本理念


・立身中正


・虚領頂勁


・自然への脱力


・意識を整える


・呼吸を整える


・身体を整える


・零から百への力の伝達


・武術とは自然そのものである


---


# 魔剣流基本鍛錬


入門した時点で正式な門下生となる。


毎日、木剣による基本五型を何万回と振り続ける。


「えぇぇい!」


「やあああっ!」


腹の底から気合いを発しながら、身体へ叩き込む。


ロランは常々こう教えていた。


**「身体が勝手に動くまで振れ」**


基本を極めることこそ、最強への近道。


それが魔剣流の教えである。


---


# 魔剣流基本五型


## 一の剣 崩剣ほうけん


踏み込みながら放つ袈裟斬り。


「剣はまず相手を崩すことから始まる」


魔剣流すべての起点となる型。


---


## 二の剣 返月へんげつ


低い腰から放つ切り上げ。


一の剣から繋がる追撃。


攻撃の流れを止めないための型。


---


## 三の剣 流風りゅうふう


風のような歩法。


斜めへ踏み込み、敵をかわしながら斬る。


攻防一体の歩法を修める型。


---


## 四の剣 横掃千軍おうそうせんぐん


横薙ぎ。


多数戦を想定した型。


「一人を斬るな。道を斬れ」


という教えを体現する。


---


## 五の剣 退歩蔵鋒たいほぞうほう


一歩退きながら放つ袈裟斬り。


攻め続けるための退き。


「初太刀疑わず」


という魔剣流の教えを体現する型である。


---


# 魔剣流で学ぶ武術


魔剣流は総合武術である。


修める武術は十一系統。


・剣術


・剛術(拳法)


・柔術


・棒術


・槍術


・斧槍術


・短剣術


・大剣術


・扇術


・弓術


・戦槌術


ロランは門弟へこう教えた。


「武器を選ぶな」


「戦場は、お前に都合よく武器を選ばせてはくれん」


「どの武器を手にしても戦える者こそ、本物の武人だ」


---


# 魔剣流奥義


## 初伝 暗黒


魔素を直接魔力へ変換し、肉体を活性化する。


魔剣流すべての始まりとなる奥義。


初段受験資格。


---


## 中伝 暗黒剣


活性化した魔力を刀身へ纏わせる。


剣の威力・速度・耐久性を飛躍的に高める。


三段受験資格。


---


## 奥伝 暗黒魔剣


生命力までも魔力へ変換する秘奥義。


飛躍的な力を得る代償として、肉体へ極めて大きな負担を与える。


四段受験資格。


危険性が高く、アデラーンは弟子への伝授に消極的だった。


しかしセリーヌは、


「先生を守りたい」


その一心だけで独学により会得する。


---


## 秘伝 魔神剣・決死の陣


宗家継承者だけに伝わる究極奥義。


命そのものを魔力へ変換し、一撃へすべてを懸ける決死の剣。


発動すれば命を落とすことを前提とした、まさに最後の切り札である。


魔王討伐ではアデラーンがこの剣で道を切り開き、


その隙を突いて大聖女ミュゲ・ジプソフィルが魔王ニコラスを討ち果たした。


---


## 極伝 魔神剣・刹那一閃


魔王討伐後、


アデラーンが長年の研究の末に完成させた、魔剣流最高到達点。


生命力を斬撃の瞬間だけ魔力へ変換することで、


決死の陣に匹敵する威力を維持したまま、生還を可能とした。


魔剣流基本五型『崩剣』を極限まで昇華した、


**魔剣流最強にして究極の一太刀。**


発動後は一週間以上寝込むほど生命力を消耗する。


それでも、


**「生きて護るための剣」**


というアデラーンの想いを体現した、魔剣流の完成形である。


——


# 級位・段位制度


## 級位


十級〜一級(見習い)


魔剣流へ入門した者は、まず級位から修行を始める。


基本五型と礼節、基礎体力、武術の基礎を徹底的に鍛え上げ、段位取得を目指す。


---


## 段位


### 初段 一人前


魔剣流初伝『暗黒』修得。


一人前の門下生として認められる。


---


### 二段 指導員


後進の指導を任される立場。


技術だけでなく、人を育てる資質も求められる。


---


### 三段 師範代


魔剣流中伝『暗黒剣』修得。


宗家・師範を補佐し、道場運営にも携わる。


---


### 四段 師範


魔剣流奥伝『暗黒魔剣』修得。


正式に弟子を育てる資格を持つ。


---


### 五段 大師範


一流派を代表する実力者。


宗家に次ぐ技量と人格を備えた者へ授けられる。


---


### 六段 練士師範


卓越した技量と指導力を兼ね備えた達人。


武術家として円熟の域へ達した証。


---


### 七段 教士師範


一流派を導く資格を持つ指導者。


人格・礼節・指導力のすべてが高い水準で求められる。


---


### 八段 範士師範


魔剣流最高段位。


宗家として流派を継承し、その歴史と理念を未来へ伝える者へ授けられる。


---


段位は技量だけで決まるものではない。


人格。


礼節。


指導力。


そして流派への貢献。


そのすべてを総合的に審査し、宗家が認定する。


---


# 現在の段位


## 本編


・アデラーン 五段・大師範


・セリーヌ 三段・師範代


・リュカ 三段・師範代


・リリア 三段・師範代


---


## エピローグ


・アデラーン 六段・練士師範


・セリーヌ 四段・師範


・リュカ 四段・師範


・リリア 四段・師範


---


# 受け継がれる魔剣流


こうして魔剣流は、


ロランからアデラーンへ。


アデラーンからセリーヌ、リュカ、リリアへ。


そして、次の世代へと受け継がれていく。


弱き者が強き者を打ち倒すために。


弱き者を護るために。


派手さを求めず。


名誉を求めず。


ただ、人を護るために剣を振るう。


その理念は、時代が変わっても決して揺らぐことはない。


魔剣流はこれからも、


人を護る剣として、


静かに、そして力強く未来へ受け継がれていく。

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