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落涙
チーフの秘密は、こうして白日の下に晒された。
彼の献身に、心を動かされた大人達の手によって、彼自身の救済に向けて動き出すこととなる。
この時、彼はまだ自分の運命が変わったことを知る由もなく。
その病室のベッドの上で、ただ眠るだけだった。
彼の寝巻きの下には、か細い一本のネックレスに通された、安物の指輪――。
その目から、涙が一雫……流れて、枕に小さな染みを広げる。
彼には、マスター以外まだ誰も知らない……悲しい過去があった。
それは、プロのバーテンダーという仮面に隠された、チーフ――フミトの、過去の記憶。
胸元に遺された、小さな指輪の物語。




