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芸能界になろう!  作者: いでっち51号
~みんなの芸能人~
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37/40

~第1幕~

 ヴィベックスがGGGやハロー世界征服の事で世間をやたら騒がせている間にクリスタルエデンはムーンライトの買収騒動で世間の度肝を抜かせていた。その収着するところがこの2社の業務提携というのだからまた驚きだ。



 何にしても話題に尽きない事務所であり、事業主だと言ってイイだろう。



 ドレイクで放送されるドロップアウトは新着の配信が知らされるたびにSNSでトレンドを席巻させる。一連の事が落ち着いた頃になって彼はその行動を加速させていったような気がする。



 ドロップアウト第4章のクランクアップより間もなく第5章の撮影が始まる。そのときの蒼月しずくの活き活きとしたオフショットは芸能ニュースを賑わせてくれる。



 ただ、そこに奥沢芽衣の姿はない。



 ムーンライトとクリスタルエデンのいざこざはなくなった筈なのに彼女は山崎生吹として現場に現れなかったのだ。これはのちほど色々と発表されるのだが、今ここで話しておくところではないだろう。



 第3回スピーチヒーローが終わって間もなく。この年の日本映像アカデミーが発表される。ドロップアウトはこのたびの第4章で作品賞、賢治が監督賞、綺羅めくるが主演女優賞・ポンズが助演女優賞を受賞。さらに美術部門や広報などの細かい部門を合わせて12部門を制覇。これを地上波のドラマでないネット配信ドラマが成すという異例の現象を起こしたのだ。映画でみると更にそれは顕著に。「EARWIG」で古本都紙魚が監督賞と主演男優賞、同作で野田栄一郎が助演男優賞を受賞。賢治がメガホンをとった「M」で中下すずが主演女優賞を受賞。他の細かい部門で「溺れる」や「はなび」と言った30分映画も賞を獲っている。もはやクリスタルエデンを讃嘆する為の表彰イベントだったと言って過言でない。



 この勢いのまま、ドロップアウトは第6章よりフジサンテレビで深夜のアニメ作品としてドラマと別媒体で放送することも発表される。賢治と懇意にある同社社長の清田による肝いりプロジェクトとして始まるようだ。



 それから新世代のラジオに変わる媒体として注目のホットキャスティング公式とも堂々連携するとしてクリスタルエデンが認められる運びに。日曜日は賢治と傑のマヂカルバブリー2人。土曜日は野田栄一郎と古本都紙魚の2人。木曜日は瑞祥の2人。水曜日は倉木リアナと中下すずの2人とほとんどの枠を彼らが独占。月曜日のもふもふ王国や火曜日の綺羅めくると如月湊また水曜日の元ハロー世界征服の2人のキャスティングに同社が関わっているとすら噂される。金曜に入る蒼月しずくと奥沢芽衣の枠ですら何か噛んでいそうだ。



 何かメディアを開けばクリスタルエデンの社名が踊る。



 フジサンテレビで冠トーク番組を持つロックたけしは言う。



『才能だろうね。オイラはコイツがでてきた時に別に何も感じなかったけども、こうやって思うままにやっているのは才能なのだと思うよ』

『ロックさんはダテケン映画に出演されていましたよね?』

『うん。そうだね。でも、とりわけコイツだって意識したことがないのよね』

『それってどういうことですか?』

『こんな奴がこの現実にいる訳ないだろうって思って。でも、現実にいるでしょ? 酒を飲みながらインタビューに応える芸人はデタラメな昭和ですらいなかった』

『ロックさんは彼が苦手なのですか?』

『得意じゃないよね。でも、コイツがお願いしてきたら断れないよね。そういう奇妙な感じがオイラは好きになれないし、嫌いにもなれない』



 彼のコメントは何か確信を突いていた気がする。



挿絵(By みてみん)



 伊達賢治というタレントの歴史を振り返ればこうだ。高校生時代にテレビ番組の高校生漫才コーナーで一躍スターの卵に。高卒より吉原に入社。相方の江川傑とコンビを組み、一度は辛酸を舐めて二度目の漫才王GPで優勝。2018年のことだ。



 翌年、第2回スタンドアップヒーローにて優勝。その勢いのままにお笑い芸人としては異例の言論人としての活躍をみせるように。お笑い界のカリスマだった松薔薇もそんなジャンルへやってくる。そこから賢治は活躍の場をヨウチューブのほうへ移した。この間にも吉原の支援を受けながら賢治は俳優業のみならず、映画監督にも挑戦。



「ブラック企業によろしく」



 彼のデビュー作にしてコメディアン監督として出したその作品は盛大にこけた。それは松薔薇がかつて映画監督に挑み大コケした姿と重なる。ところがその翌年、2021年に彼は再び映画を世にだす。宮城県が仙台市を舞台にした少女たちのドロドロした恋愛模様を映した問題作とも名作とも謳われる。




「わがままなザッハトルテ」



 これはコメディアン監督がとても作りそうにない映画だった。ところがこの時になって彼は監督としての才を発揮したのだろう。映画は大ヒットを記録。2人の女優が映像アカデミーで栄冠を手にする。




「1999」



 2022年に彼が世に放った映画はこのザッハトルテを超えるものに。歴代興行収入ベスト10の映画となったのだ。ここで遂に彼は主演男優賞と監督賞、さらには作品賞を含めた10部門の大賞を同作品で手にする。その快挙を達成するサマはもはやコメディアンなんかでなかった。



 それからしばらく映画監督としての活動をみせなくなる。2023年に自身が社長を務めるクリスタルエデンを旗揚げ。「松薔薇太志提言」というヨウチューブ史上最高の再生数にして世を騒がせまくる動画をリリースする。その数か月後に松薔薇は週刊誌に性犯罪の疑いがある記事を書かれて裁判をおこす。



 松薔薇は死んで賢治は松薔薇なき吉原を買おうとして失敗した。



 その代わりに彼は漫才王やスピーチヒーローの利権を手にする。



 そしてここに至る。彼が酒飲みのキャラクターを売り出したのはこの頃からだ。知れば知るほどワケが分からない男。



 そんな彼を超えるのでないかと言われる女子がいた。



挿絵(By みてみん)



「監督」

「何?」

「ちょっと話が」

「おう。君も飲むか?」

「いらん。真面目に聞け」



 そのドロップアウトの撮影が終わったときに彼女は珍しく賢治へ話しかける。その瞳に呑みこまれたら最後。そう謳われるムーンライトの天才。



 奥沢芽衣。




「芸能界になろう」を思いだしてね。


ダテケンを思いだしたね。


っていう話でした(#^.^#)また明日(#^.^#)m9ドーン!!!

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― 新着の感想 ―
ダテケンさんの輝かしい経歴が一挙に載っていて、とてもわかりやすかったです。 そして、これまでのいでっち様のいろいろな作品が、映画化されたり撮影されたものとしてまたこちらに出てくるという構造が面白い。な…
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