~第11幕~
その日、芸能ニュースは騒がしくて仕方なかった。
『週刊誌が騒いでいるように私の父は一般で言うところの反社会的勢力に属する父でした。幼い時の私たちはそんな彼に憧れて背中に一生消える事のないモノを背負う決断をしました。今思うと愚かだったな……と思うのは思うんですけど、それでも、だからって自分そのものを否定するつもりは何ひとつございません。役者として歌手として。期待してくださるファンの皆様へ精一杯できるかぎりのパフォーマンスをしてゆきたい。残念ながらハロセカは解散という事になりますけども、私っていう私をこの世界で表現してゆけるのであれば、今日は私たちが終わる日ではありません。私、ポンズの始まりの日であります……!』
ハロー世界征服の解散宣言。いや、ポンズとリョウジがそれぞれ任侠の子供でありながらも芸能人としてソロ活動をやっていくという声明とみるべきか。同時にそれぞれのソロデビューを東京ドームで敢行するという発表も兼ねた。本田恩逗という本名も同時に公表。
それはドロップアウト第4章撮影クランクアウトの日。
「東京ドームでデビューかぁ。羨ましいなぁ」
「めくるさんでも羨ましいと思うの?」
「ウチはヴィベックスみたいなでっかい会社じゃないし。私があそこで歌えたのはうっせぇよでお世話になったミヲタさんや……やっぱりヴィベックスのお蔭」
「私のところもそんなに巨大でないよ?」
「ギャロップでしょ? 最強でしょ?」
「いや、昨日個人事務所を開くことにして退所したのよ」
「えぇっ!? マダさんが!?」
「今頃は個人で稼げるって分かったら、独立するのが手っ取り早いでしょう? 元々考えていたけどさ。ほら、吉原の芸人さんなんかドンドンそうしているでしょ?」
「そうだけどさぁ~驚くわい」
「めくるさんは考えないの?」
「私は新田もいるし、他にもいっぱい家族みたいな存在が事務所にいるからね。骨をうずめる気でいるよ。でも、マダさんが独立ってすげぇニュースだよな。おい」
「あ、電話だ。しーちゃん?」
「えぇっ!? またまた凄いニュースだ!?」
「もしもし?」
『ぐすっ……』
「えっ? 泣いている?」
『うん、ポンちゃんの会見に感動しちゃって私が刀マニアであることを告白する動画をあげてみたら炎上しちゃって……』
「えっ!? 何をやっているの!?」
『もう、今日はめまぐるしいことだらけで……うちの社長たちと伊達君が仲直りして良かった。うっ……私ときたらどうして』
「仲直り? ムーンライトとクリスタルエデンがっていうこと?」
聞き耳をたてていた綺羅めくるはすぐにスマホで確認する。
この日、伊達賢治の姿はムーンライト本社にあった。
賢治だけでない。クリスタルエデンからは鳴沢樹たち三銃士も同席。ムーンライトの闇岡姉弟とともに「業務提携」をするという記者会見を開いたのだ。
具体的には音楽活動また写真集の製作に長けているムーンライトがクリスタルエデンに対してそんなサポートを。かたやクリスタルエデンは映画・ドラマ製作での協力を惜しまないということでムーンライトが映画界進出を叶えることに。奥沢芽生や闇岡月巫女が監督デビューを近々することになるとも。
「しーちゃん……騒ぐならそういうことを騒ごうよ……嬉しかったのね」
この日、それでもクリスタルエデンの野田栄一郎や江川傑、近藤勇美また倉木理亜奈といった面々が四国愛媛の現場にいた。
ポンズたち兄妹を囲んで楽しそうにワイワイ話している。途中で綺羅めくるが割りこんでポンズの背中に乗る。撮影開始の時は険悪でどうなるものかと思った2人がいまやマブダチのような感じで和気あいあいとしている。
山田エヴァ万桜は微笑む。
「家族かぁ。そろそろお母さんの誕生日だっけ。プレゼント……何にしよう?」
芸能界もまた人と人が繋がって創る世界だ。それを家族と呼ぶ者もきっといる。
いやぁ大団円でした(*´ω`)
ちょっと強引に持っていった感じもするけど前話あっての今話ですからね。ここ重要です。
で、ココで終わらない4章。次号(#^.^#)m9ドーン!!!!




