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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「玲……?」
雫は驚く。
玲は息を荒げながら俯いていた。
「どうして……いつも」
その声は苦しそうだった。
透が静かに言う。
「また守れないと思ってるんだろ」
玲は何も答えない。
だがその沈黙が全てだった。
玲は、何度も誰かを失ってきた。
だからこそ。
凛の運命も、自分と重なって見えるのだ。
雫はゆっくり玲へ近づいた。
そして。
そっと手を握る。
玲が驚いたように顔を上げる。
雫自身も不思議だった。
記憶はない。
でも。
この人を放っておきたくないと思った。
玲の手は冷たかった。
「大丈夫」
雫は小さく笑う。
「今回は、一緒に助けるから」
その言葉に、玲の瞳が少しだけ揺らいだ。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




