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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「そんな危険なこと……!」
玲は反対する。
だが栞は真っ直ぐ雫を見る。
「選ぶのはあなた」
深層書庫が悲鳴を上げている。
時間がない。
雫は震える手を握りしめた。
怖い。
消えたくない。
でも。
今ここで逃げたら、助けた人たちの未来も消える。
その時。
湊の笑顔が浮かぶ。
『お前が消えてくみたいで怖い』
胸が痛んだ。
自分は、誰かに心配されるほど大切に思われていた。
だからこそ。
「……やる」
玲がすぐ首を振る。
「駄目だ」
「でも!」
「お前はまだ人間だ!」
その言葉に空気が止まる。
玲の声は震えていた。
「これ以上、時雨堂側へ行くな」
雫は玲を見る。
玲は本気で、自分を守ろうとしている。
それが分かった。
だからこそ、雫は優しく笑った。
「玲、一人で背負いすぎ」
玲の瞳が揺れた。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




