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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
気づけば、雫たちは深層書庫へ戻っていた。
本棚は崩れ続けている。
玲が駆け寄る。
「無事か!」
雫は頷く。
その横で、透が静かに書庫主を見る。
「……まだ終わってない」
書庫主は低く唸る。
『運命の歪みは消えない』
栞が前へ出る。
「なら、修正すればいい」
ハルが目を細めた。
「あなた、本気?」
栞は静かに笑う。
「元々そのための管理人だもの」
そして雫を見る。
「雫、あなたなら出来るかもしれない」
「何を?」
「“再編”よ」
空気が止まる。
玲の顔色が変わった。
「栞、それは禁術だ」
「でも他に方法がない」
再編。
それは。
壊れた運命を、もう一度繋ぎ直す力。
ただし。
「成功した前例はないわ」
失敗すれば。
雫の存在は完全に消える。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




