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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「やっぱり間違ってたのかな……」
雫の声は弱かった。
玲がすぐ振り向く。
「違う」
「でも……!」
雫は涙を浮かべる。
「私、自分が正しいって思ってた!」
苦しんでる人を助けたかった。
それだけだった。
でも、その先まで考えていなかった。
ハルは静かに近づく。
「人を救うって、綺麗なことじゃないの」
その言葉は重かった。
「誰かの人生を変えるなら、その責任も背負わなきゃいけない」
雫は俯く。
責任。
そんなもの、考えたこともなかった。
その時。
黒い霧の中から、神代透が現れた。
「……だから言った」
透は静かに雫を見る。
怒っているわけじゃない。
ただ、ひどく悲しそうだった。
「お前は優しすぎる」
雫は震える。
透は続けた。
「優しい奴ほど、自分を壊して全部抱え込む」
その言葉は、まるで未来を知っているようだった。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




