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運命の栞  作者: あーちゃん


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47/150

47ページ

人はきっと、誰かに救われながら生きています。


大きな言葉じゃなくてもいい。

たった一言。

たった一つの優しさ。

それだけで、生きようと思える夜があります。


この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。


けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。


苦しみながらも誰かを想うこと。

忘れたくないと願うこと。

誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。


そんな、不器用で優しい人たちの姿です。


もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。

この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。


『時雨堂に、雪は降りつづく』


どうか最後まで、見届けてください。


由紀の人生は、壮絶だった。


シングルマザー。


借金。


長時間労働。


そして、育児疲れ。


本には、押し潰されそうな感情が溢れていた。


『もう限界』


『誰か助けて』


雫はページを読む手が震える。


「こんなの……」


玲が静かに言う。


「追い詰められた人間は、自分でも何をするか分からなくなる」


記憶庫へ入る。


そこには、小さな娘と笑う由紀の姿があった。


優しい母親だった。


だが少しずつ余裕を失っていく。


泣き止まない子供。

仕事のミス。

督促の電話。


そして。


『一緒に消えれば楽になれる』


雫は涙を堪えた。


違う。


この人は悪じゃない。


壊れてしまっただけだ。


その時。


記憶の奥で、小さな女の子の声が響く。


『ママ、だいすき!』


雫はハッと顔を上げた。


まだ終わってない。


まだ、この人は救える。

最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。


この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。


誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。




全部を救いたい。

誰も傷ついてほしくない。


そう願っても、現実は簡単ではありません。


それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。


その小さな希望を、この物語に込めました。


雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。

そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。


人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。


もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。

それが、この作品にとって何よりの救いです。


あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。


本当にありがとうございました。

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