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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
『彼女は近いうちに、“最悪の選択”をする』
その文字を見た瞬間、雫の背筋に冷たいものが走った。
「最悪の選択って……何」
玲は本を閉じようとする。
だが雫は止めた。
「隠さないで!」
玲は苦しそうに目を伏せる。
「未来は変わる。今見えてるものが絶対じゃない」
「でも何か知ってるんでしょ」
沈黙。
やがて栞が静かに口を開いた。
「近いうちに、大きな運命の分岐が来るわ」
「分岐……?」
「誰かを救うか、自分を守るか」
雫は息を呑む。
選ばなければいけない。
その未来が近づいている。
その時。
時雨堂の奥から、本が落ちる音が響いた。
バサッ。
玲が顔を上げる。
「……来たか」
落ちた本の表紙には、見覚えのある名前があった。
『如月湊の人生』
雫の心臓が止まりそうになる。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




