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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
翌朝。
学校で湊に呼び止められる。
「最近、大丈夫か?」
雫は笑おうとする。
「平気」
だが湊は納得していなかった。
「無理してる顔してる」
図星だった。
湊は少し黙ってから言う。
「昔のお前、もっと笑ってた」
雫は固まる。
「……そうだっけ」
「え?」
その瞬間。
湊の顔が曇る。
「雫、お前……覚えてないのか?」
胸がざわつく。
「何を?」
湊は言いかけて、やめた。
だがその目はひどく苦しそうだった。
放課後。
雫は一人で考える。
自分は何を忘れた?
その時、スマホに一通のメッセージが届く。
知らない番号。
『運命に関わるのをやめろ』
送り主は不明。
だが最後に、一言だけ書かれていた。
――神代透。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




