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運命の栞  作者: あーちゃん


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109ページ

人はきっと、誰かに救われながら生きています。


大きな言葉じゃなくてもいい。

たった一言。

たった一つの優しさ。

それだけで、生きようと思える夜があります。


この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。


けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。


苦しみながらも誰かを想うこと。

忘れたくないと願うこと。

誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。


そんな、不器用で優しい人たちの姿です。


もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。

この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。


『時雨堂に、雪は降りつづく』


どうか最後まで、見届けてください。


『第三の選択肢』


それは、誰も知らない未来だった。


ハルが本を見つめる。


「観測できない……」


つまり。


時雨堂ですら予測できない未来。


雫は本へ触れる。


瞬間。


膨大な光景が流れ込む。


無数の本。

崩壊する書庫。

泣いている栞。


そして。


巨大な“白い本”。


『原典』


その文字が浮かぶ。


雫は息を呑む。


原典。


それは。


全ての人生の始まりとなる本。


栞が青ざめる。


「まさか……そこへ行く気?」


玲の顔色も変わった。


「駄目だ」


「何なの?」


ハルが静かに答える。


「原典に触れれば、世界のルールそのものを書き換えられる」


空気が凍る。


つまり。


誰かを犠牲にしない未来を作れる可能性がある。


でも。


「失敗したら、存在が完全に消滅するわ」


雫は静かに本を閉じた。


そして。


迷いなく言った。


「行く」

最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。


この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。


誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。




全部を救いたい。

誰も傷ついてほしくない。


そう願っても、現実は簡単ではありません。


それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。


その小さな希望を、この物語に込めました。


雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。

そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。


人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。


もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。

それが、この作品にとって何よりの救いです。


あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。


本当にありがとうございました。

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