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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「……思い出した」
雫は涙を流す。
玲が目を見開く。
「え?」
「初めて会った日のこと……」
完全じゃない。
でも確かに残っていた。
消えても。
想いは、全部無くなるわけじゃない。
雫は玲の手を強く握った。
「玲は消えちゃ駄目」
その声は真っ直ぐだった。
玲は苦しそうに目を伏せる。
「でも、お前が――」
「私はまだ諦めてない」
雫は笑った。
泣きながら。
「全部救うって決めたから」
その瞬間。
雫の人生の本が、これまで以上に強く光る。
ページが高速でめくられていく。
そして。
新しい文章が刻まれた。
『第三の選択肢を確認』
全員が息を呑む。
栞が震える声で呟く。
「ありえない……」
運命が。
今この瞬間、新しい道を生み出していた。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




