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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「消えない!!」
雫は叫ぶ。
だが声が震えていた。
玲が湊の人生の本を開く。
ページが白紙になり始めている。
「早すぎる……」
透が舌打ちする。
「世界が修正を急いでる」
つまり。
凛を救った反動が、一気に湊へ集中している。
湊はまだ状況を理解できていなかった。
「おい、誰か説明しろよ」
だが誰も答えられない。
説明したところで、普通の人間には理解できない。
その時。
湊のスマホが鳴る。
母親からだった。
だが電話越しの声は、不思議そうだった。
『……どちら様ですか?』
空気が凍った。
湊の顔から血の気が引く。
「母さん……?」
『息子に何か用ですか?』
雫は涙を堪えきれなかった。
もう始まっている。
湊という存在が、家族の記憶から消え始めていた。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




