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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「やめなよ」
静かな声だった。
だが教室は一瞬で静まる。
言ったのは湊だった。
「一人追い詰めて楽しい?」
女子たちは舌打ちする。
「関係ないじゃん」
「あるよ」
湊は真っ直ぐ見据えた。
「見てて気分悪い」
雫は驚いていた。
湊は昔から優しかった。
でもここまで怒る姿は初めてだった。
女子たちは気まずそうに去っていく。
教室に静寂が戻る。
雫は机の落書きを見つめた。
その時。
視界が揺れる。
頭の奥に、知らない感情が流れ込んだ。
怖い。
痛い。
助けて。
美咲の感情。
「っ……!」
雫はその場に膝をつく。
「おい、大丈夫!?」
湊が慌てて支える。
雫の脳裏に映像が流れ込む。
屋上。
泣いている美咲。
手すり。
「危ない……!」
雫は顔を上げた。
「屋上!」
そして二人は走り出した。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




