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プシュー!と待ったフタが解き放たれる音がする。ガラスで包まれている棺のような外観のフタが持ち上がりたてに開いていく。アンドロイドで副官のシャルルが睡眠学習中だった艦長を起こすタイミングだった。


「ユート・トーレス艦長。睡眠学習が終わる時間です起きてください。トラブルが発生しました」


ユートは1年コールドスリープとともに戦争時の兵法について睡眠学習をしていた。ユートが乗っている船は直径が10kmもあるアドモス型要塞間でアンドロイド兵士が1万人乗っている。そのすべてを統括しているのがユートだ。


ユートは眠たい目をこすり起き上がる。するとユートはオシアナス銀河宇連邦宙軍であるはずのユートの記憶と南雲優斗だった時の記憶がまじりあい気分が悪くなりすぐに横になってしまった。ユートはあまりの出来事に自分が誰なのか困惑して頭が痛くなっていたし不安から気分が悪くなっていた。


「艦長。大丈夫ですか?」


ユートが目を開けると金髪でものすごく顔の整ったシャルルが目に映る。


「シャルル。すまない。少しこのままにしてくれ」


「了解です。私はブリッジのほうに行っています。緊急事態が起こっていますので早めにブリッジにお越しください」


シャルルはそういうと部屋を出て行った。このスペース要塞は西暦4323年制の最新モデルだ。いろいろなことが睡眠中に学べる。ユートは士官学校を卒業したばかりで18歳だ。1年かけてコールドスリープで戦術を学んでいた。ユートは18歳の若造だがコールドスリープ学習を数多くこなした優秀な男で15の時にはすでに戦争に出ていた。


その時の活躍があり1年前の17の時にスペース要塞艦エクシールの艦長に抜擢された。そしていまはユートと優斗の記憶がまじりあっている状況で記憶の整理をしている状態だ。1時間ほどで記憶の整理は落ち着いた。


(魔王を討伐してから何年たっているんだろう。2300年以上は経っている計算になるのかな。女神一瞬の違いしかないのかもしれないが・・・)


ユートは一応前世で使えた魔法を発動してみる。


「ファイヤー」


すると指から帆脳が舞い上がる。


(夢じゃないな、ということは女神さまからもらった地球のものを召喚する魔法も使えるかな?)


「サモン」

するとユートの手には鮭おにぎりが握られていた。優斗は懐かしく思い鮭おにぎりを貪り食う。ユートが転生したオシアナス銀河連邦国の星ミゲルでは麦が主食だったためコメは高価な輸入品だった。異世界で過ごした時間やミゲルに転生してからの時間を考えると20年ぶりのコメの味だった。


おにぎりを食べ終えるとユートはシャルルがブリッジに来るように言っていたことを思い出す。しかも何か慌てていた様子だった。ユートはブリッジに急いで向かう。とにかくこの要塞艦は広いコールドスリープ室からブリッジまで自動で動く手すりにつかまって飛んで行っても30分はかかる。


ブリッジまでの途中で優斗はどのような魔法が仕えそうか考えていた。戦争でも使える魔法はいくらでもある。インベントリに移転魔法という時空系の魔法もある。賢者が持っていた力だ。病気やけがを治す魔法ある。聖女が持っていた魔法だ。


忍者のように身を隠すこともできる。隠者が持っていた力だ。剣ではだれにも負けない自信がある。レーザービームさえ避けることのできる身体能力がある。剣聖の持っていた力が。体力や器用さではだれにも負けない。勇者の力だ。


知らず知らずのうちにそれらの力を使って戦場で生き延びてきたのかもしれないとユートは思った。


考えながらではあるがブリッジに到着した。ユートは副官であるシャルルが待機している艦長席に座る。


「シャルル。問題とはなんだ」


艦長がスリープしている間に空間ジャンプをしたのですが一部データーに不具合があり予定していた空間と全く違う空間に出てしまったのです。


「全く違った空間でも元の空間に戻ることは可能だろう。問題ないじゃないか」


ユートはそういい楽観視している。それにたいしてシルビアは緊張した面持ちで告げる。


「元の空間に戻れないのです。空間ジャンプの際にこの要塞艦は時間をもジャンプしたようなのです。現在は西暦1312年の人類発祥の地である地球がある太陽系の木星あたりを航行しています。


このときユートの頭には女神が言っていた『地球に転生させてあげる』という言葉を思い出した。ちなみにこの船に乗っているのはユート以外はアンドロイドでありどこでも活動できる。


アンドロイドでも感情はある。しかし、一定の馬車に固執したようなものはいない。第一宇戦艦にのっている時点で故郷に帰れると思っている者はいないだろう。


ユートは西暦1312年の地球に降り立つことを決意する。


「シャルル。地球のオーストラリア大陸に行く。艦を進めろ」


「了解」


(西暦1312年といえばまだ大航海時代にもなっていないだろう。ヨーロッパの国々を出し抜くことができるかもしれない。アフリカや。アジア、オーストラリアの南北アメリカ大陸は俺が戴こう。原住民とは仲よくしよう。ヨーロッパのような原住民の虐殺はしない。でも南北アメリカやアフリカにオーストラリアなどには国らしきものがないのが難点なんだよな。そういうことはコールドスリープで学ぶほうがいい。地球の主な国の言葉もついでに覚えておこう)


「シャルル」


「はい、艦長」


「オーストラリアに着いたらアボリジニと話し合い協議して国を作る。アボリジニの国だ。長老どもに睡眠学習を使い王国の仕組みや農業や牧畜の重要性を教える。わかったな」


「わかりました。王国を作るように努力します」


「王国を作るときにあまり死者を出すなよ。ライトニンング弾を仕え。族長以外の大人たちもコールドスリープで教育してくれるとありがたい。コールドスリープで日本語をと全ての学科の大学卒業までの学科を教え込みその者たちに子供たちを教育させろ」


シャルルは真剣な顔になりユートに聞く


「艦長。私たちはオシアナス銀河宇連邦には戻れないのですね」


「そうだな。時間を跳躍することは不可能だ。だから地球で過ごすことにする。これからも俺の指示に従ってほしい」


「老獪です。早速、地球のオーストラリアを目指します」


「地球に向けて出港」


読んでくれてありがとうございます。

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