第12話 覚悟すること。
「さて、ジーク様、王城にお戻りになる準備は出来ましたか?」
「・・・・・」
今日も例のご令嬢からの手紙が転送されてきている。開封はされていない。お盆に載ったままだ。ジークは、本を片手に、食後のお茶を飲んでいた。
「ああ、例のご令嬢からでございますね?帰ったら、ご結婚なさるので?」
お相手は、侯爵令嬢。イメルダさん。
学院では1.2の美人さんらしい。家名もそこそこ。
ジークを狙っていて、おかげでリーゼは結構いじめられていたらしい。あんたみたいな女、ジーク様には似合わないのよ?お判りにならないの??とかね、、、そんな女、、、、、まあ、、、、見てくれに惑わされる男は多いわよね?この情報は、ジョンに聞いた。
「リーゼが、、、、見合いするのに、邪魔だからか?」
まあ、普通に考えて、そうよね?
「いえ、あなたに好いた人がいて、婚約破棄したから?でしょうか?」
「いない。」
「は?」
「・・・・リーゼ以外に、、、、好いた女などいない。あの日は、、、、リーゼのことで心配事がある、と呼び出されて、、、、行ってみたら、襲われそうになって、、、」
やるな?その女?既成事実を作っちゃおう、って感じか?どんな自信家だ。
「振りほどいて帰ろうとしたら、しがみつかれて、、、、」
すごいな、、、、その執念、、、、それでもつれ合っての階段落ちかあ、、、そう言えばいいのに。
「婚約破棄は、、、、僕が、、、リーゼと、、、子供を作れないからだ。それだけだ、、、、。そうだな、帰るべきだな、、、、明日にでも、帰るよ。マリエもジョンも、いろいろとありがとう。歩けるようになっただけ、、、感謝すべきだな、、、」
あら、私の名前、ご存じだったのね?
と、言うか、、、別にこの二人、問題なくない?
まあ、、、ジークが勃起するかどうかは、本人にとっては大問題だけど、リーゼは気にしないだろうし、、、まあ、、、分かんないだけかもしれないけど、、、、
「立証かあ、、、、どうすっかなあ、、、、」
「マリエ様?ま、まさか、ご自分で、とかはお止めくださいませ!!俺は、、、俺はまだ28歳なんです。まだ死にたくはありません!!」
「ジョン、バカなの?しないわよ!そりゃ、まずいでしょ?いろいろ。今後のこともあるしねえ、、、、」
「こと、、、、マリエ様については、、、、心配しかありません、、、、お願いです!」
念押しがしつこいジョンを置いて、屋敷をぶらぶらする。
この時間、リーゼは執務室にこもって仕事しているし、、、、どうすっかなあ、、、時間ないし、、、
衣裳部屋の前まで来ると、侍女と女中がにぎやかに騒いでいた。
「マリエ様!まあまあ、お入りください!!」
きゃっきゃしながら、ドレスのお直しをしているようだった。
「何着か新しいドレスもお作りしたんですが、お嬢様の胸のサイズはあまり変わらないようなので、今までのドレスも直せるんじゃないかと、、、、ご覧になって下さい!!」
みんな嬉しそうだ。
部屋に入ると、所狭しとドレスが広げられている。
「これは、ウエストを絞って、スカートにキャザーを寄せてみました!さすがに上半身部分ははさみをいれましたが。」
「これは?」
「ああ、寝間着でございます。これは、、、その、、、ご結婚が近いかと、作ったものでして、、、、その、、、初夜用に、、、あの、、、ジーク様との、、、、」
ジークの名前が出たところで、静まり返ってしまった。皆さん、気にしてるのね?そうよねえ、、、婚約破棄した男が、まだ2階に住んでるんだもんねえ、、、お嬢様の気持ちを考えると、、、、複雑よね?
真っ白のレースが重ねられた、胸が開いた寝間着、、、これ?これじゃない??




