↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣しか勝たんVRMMO  作者: 雉里ほろろ
第一章:いざ行かん星の世界、切り拓くは我が剣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/84

第十七話:力が足りない


 図書館から近いのは防具屋だったので、先に防具屋にやってきた。

 防具屋を営むNPCのおっちゃんは、鍛冶屋を営むおっちゃんと同じ顔をしている。

 キャラモデルの使いまわしと思っていたが、実は二人は兄弟らしい。言われてみれば目元が微妙に違う気がする。


「兄貴が鍛冶屋、俺が防具屋をやっているんだよ。兄弟で協力しながら、お前たち冒険者の装備を見てやってるのさ」

「道理で顔がそっくりなわけだ」


 装備屋兄弟(弟)から受け取った、防具リストの紙を見ながら気のない返事を返す。


 おお、やっぱり鉄素材を使った防具がたくさんあるな。

 この鉄兜とか見た目が格好良い。

 えっ、カクジカのツノを素材に追加すればツノの飾りも付けられるのか!? めっちゃ格好いい!

 防御力も結構高いし、これにしよう。


「おっちゃん、この鉄鋼装備を一式作ってくれ」


 鉄鉱石なら沢山採ってきたぜ。ツノのオプションも付けてくれ。

 だが素材を渡すとおっちゃんが微妙そうな顔になる。


「作るのはいいが……お前さん、装備できないだろう?」

「……は? 別に装備制限とかないだろ」


 『初心者の旅装』みたいな装備制限があるわけじゃないし、高レベルな装備と違って要求ステータスがあるわけでもない。

 そう思っていたのだが……。


「いや、それはそうなんだが、一式を装備するとなるとお前さんにはちょっと重すぎないか? 兜だけや手甲だけならともかく、全身に装備するとなるとお前さんの筋力が足りないだろう」


 防具屋のおっちゃんは俺の全身をじろじろ見て、そう言った。


「……あっ、装備重量か!?」


 STRのステータスで強化されるものに、装備重量がある。一度に装備できる装備重量の合計値には制限があり、STRを上げると重い装備でもたくさん装備できるようになるのだ。

 ナギは二刀流を維持するためにSTRにステータスを振った、と言っていた。

 一つ一つの装備に制限がなくても、一度に全身に装備するには、今の俺のステータスには重すぎるのか。

 STRを鍛えて出直してこいと。ただ今後の戦闘スタイルを考えると、STRにはあまりステータスを振らないと思うんだよなぁ。


「悪いことは言わねぇから、もうちっと軽い防具にしたらどうだ?」

「……そうするよ」


 全身金属鎧の夢は破れた。無念。

 だが鉄兜は被ってみたいので依頼。あとはフォレストドッグ・リーダーの皮を使った腰巻きと、余った皮をベースに鉄で補強した手甲も作ってもらうことにする。

 やがて装備できなくなってしまう『初心者の旅装』の代わりは、西風の平原で狩ったカクジカの毛皮を使った『丈夫な冒険服』にしよう。今のところ軽い材質で有用そうなものがこれしかない。

 装備の材料と金を支払い依頼する。


「毎度あり。兄貴の店共々、今後もよろしくな」


 初心者応援特典で貰ったお金が減ってきたな。まだ余裕はあるけど、モンスター討伐のサブクエストを受けて金稼ぎをしないとなぁ。





 防具屋で新たな防具を依頼して、次は鍛冶屋で武器強化だ。

 当初の目的通り鉄鉱石を使って『旅立ちの日本刀』を強化するのだが、それとは別にゴブリンエリートとの戦いでドロップしたアイテムが気になるのでおっちゃんに渡してみる。

 『刃こぼれした剣』をインベントリから取り出し、


「なぁおっちゃん。この剣、何かに使えないか?」

「うん? これは……また随分とボロボロな剣だな。こんなものどこで手に入れたんだ?」

「デカいゴブリンが持っていたんだよ」

「道理でボロボロなわけだ。元は良い剣だったんだろうが、使い手が悪かったんだな」


 刃こぼれした剣をしげしげと見ながら、おっちゃんが呟く。


「このままじゃ使えないな。何か他の素材を使って上手く補ってやれば、別の剣に生まれ変わらせてやることはできそうだが」


 なるほど。この『刃こぼれした剣』というアイテムは別の武器を作る際に、素材を肩代わりできるアイテムなのか。

 新しい剣を作るには素材が十分じゃないと思っていたが、意外と足りるかもしれないな。


「……よし、決めた」


 この刃こぼれした剣を使い、新しく居合刀(ヤマトブレード)を作ろう。そして『旅立ちの日本刀』はそのまま正統強化だ。

 日本刀(ブシドーブレード)と居合刀(ヤマトブレード)、どちらをメインに据えるかはまだ決めかねているが、二本目の武器があって困ることはない。

 何より今後はDEXを強化してクリティカル戦士を目指していくつもりだ。DEXを参照する居合刀(ヤマトブレード)が有用になるかもしれない。


「じゃあコイツをヤマトブレードに加工してくれないか」

「おう、任せろ。何の素材を使って補修してやるんだ?」

「そうだなぁ……」


 手持ちの素材を見て何かよさそうなものはないものか考える。

 何もなければ鉄鉱石を使えば良いと思うが……おっ? 『ソードディグの刃』か。ちょうど良いのがある。数は……ギリギリ足りた!


 あのモグラたたきにもちゃんと価値があったんだな、良かった。


 鉄鉱石は旅立ちの日本刀の強化に回し、刃こぼれした剣の補修素材として『ソードディグの刃』を使うことにした。金と素材を鍛冶屋のおっちゃんに渡す。


「頼んだよ、おっちゃん」

「任せな、取っておきの奴を作ってやるよ」


 装備屋兄弟曰く、武器も防具も完成には少しだけ時間がかかるらしいので、今日はこの辺りにしてログアウトしようかな。


 新ステージにボス戦二回、ストーリー進行と結構遊んだし、続きはまた後日だな。


次話は2/13日に更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 格闘系競技でつかう 顔を守るプロテクターみたいな 防具もカッコいいですよね 名前はわからないけども ツ◯サ・クロニクルで見ました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。