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剣しか勝たんVRMMO  作者: 雉里ほろろ
第一章:いざ行かん星の世界、切り拓くは我が剣

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第十六話:星の遺跡について

 カッペルの街に戻り、冒険者組合でゴブリンの群れから石板を取り返したことを報告する。

 するとクエストクリアの報酬でお金がもらえた。

 さらに新たなメインクエストが発生し、今度はこの石板を、カッペルの街にある図書館で司書を務めている考古学者、トレットという人物に届けてほしいと頼まれた。

 『メインクエスト:石板の謎を追え』のスタートだ。

 ここまでメインクエストは順調に進んでいる。クエスト名に『謎』なんて言葉が入っているくらいだし、そろそろストーリーも進展していくのだろうか。


「では、私はそろそろログアウトしようかなと思います。ありがとうございました、リョーダンさん!」


 冒険者協会に報告を終えた時点で、アーちゃんが時間の都合でログアウトするとのこと。


「ああ、こちらこそありがとう。楽しかったよ」

「私も楽しかったです、また一緒に遊びましょう!」


 元気に手を振りながら、アーちゃんはログアウトしていった。

 フレンド交換もしたし、またそのうちどこかで出会ったら一緒にパーティを組んでも良いかもしれないな。

 それまでに俺ももっと強くなっておかないと。


 俺はまだもう少しだけ遊ぶつもりなので、このままメインクエストを進めることにした。

 クエストで示された目的地である図書館に向かう。

 図書館はカッペルの街にある建物の中でもひと際大きな建物だ。昨日、ナギに案内してもらった時にも一度立ち寄っている。

 ここにはメインクエスト絡みで何度か訪れることになるほか、ゲーム内で沢山の本が読めるそうだ。

 中には歴史書や寓話集などのゲームの世界設定に関係しそうな書物もあり、設定の考察が好きなタイプのプレイヤーが足繁く通う施設らしい。

 俺はゲーム内の設定を隅から隅まで知りたいタイプではないが、時間があればちょっと目を通しても良いかもしれないな。

 建物の中に入ると、広い受付と奥に広がる膨大な本棚が見えた。受付に座って本を読んでいるNPCの老人に声をかける。


「あの、少し良いですか」

「何じゃ、若者。何か話でも聞きたいのかね?」


 頭の上に表示された名前には『NPC:トレット』とある。この人だな。


「冒険者組合に依頼されて、石板を持ってきました」

「おお、無事だったのか!」


 俺が石板を取り出して渡すと、トレットは年に似合わない大声で喜んだ。


「いやはや、ありがとう。この石板は星の遺跡に関係する重要な史料なのじゃ。無事に取り戻せて何よりじゃよ」

「星の遺跡?」


 確か、一番初めのチュートリアルの時にも出てきたな。この星の遺跡を探すことがメインストーリーの流れだったはず。

 そろそろ冒険者組合のお使いから解き放たれて、メインストーリーが始まるのかな。

 俺が聞き返すと、トレットは上機嫌で語り聞かせてくれた。


「星の遺跡というものは、我ら星の子が地上に生まれるよりもはるか昔からある建造物のことじゃ。人の力では到底建てられないような摩訶不思議な構造をしており、各地に点在している。しかしその詳細は未だ謎に包まれているのじゃよ」


 トレットは一冊の本を取り出してページをめくり始めた。


「君は各地に言い伝えられておる星剣伝説は知っておるかね?」

「まぁ、多少は」


 公式ホームページに書いてあったレベルのことなら知っている。


「各地に伝わる星剣伝説には多少の違いがあれど、共通する部分が多い。そして星剣伝説によれば、我ら星の子は星の遺跡で試練を受け、その試練を乗り越えることで星剣を手にすることができる、とある」

「試練、ねぇ」

「具体的な試練の内容はわからないことも多いが、星の子の力を試すものだという記述が多いのぅ。その試練のことを『星の息吹』と呼ぶ文献もあるのじゃ」


 それってつまりはボスモンスターがいるってことじゃね?


「そして君が今持ってきてくれた石板は、このカッペルの近くにある星の遺跡の試練について書かれたものなのじゃ」


 トレットは石板の内容を紙に写し、色々な本を広げて解読しはじめる。


「何が書いてあるんだ?」

「まぁ待て、急かすな。……『鍵は剣、緑光を断ち、最奥にて資格を示せ、星の息吹を受けるべし――』ここまでじゃな」

「どういうことだ?」

「この石板は太古に生きた人が書き残したものじゃ。つまり、かつて星の遺跡の試練に挑んだ者がいたのじゃろう。その試練へ挑む方法が書かれておる」

「ふぅん……」


 鍵は剣。要するに武器はちゃんと装備してきましょうってことか?

 緑光はよくわからない。何かのアイテムか、それともダンジョンのギミックか。

 そして最奥にて資格を示せ。資格という言葉でピンと来たのは、チュートリアルのときの声だ。


 『貴方は空に昇る資格がある』


 これはつまり、プレイヤーが星の遺跡の奥まで行けば何らかのイベントが起きるってことじゃないだろうか。

 そんな風に推測していると、トレットが一枚の地図を差し出した。


「これは?」

「恵みの森を抜けた先に一つ、星の遺跡がある。儂らは『森の神殿』と呼んでおる遺跡じゃ。今なお何人もの冒険者がその遺跡を調査している。興味があれば調べてみぬか? この石板を手掛かりに、何か新たな発見があるかもしれぬぞ」



 ――『メインクエスト:森の神殿を調査せよ』が発生しました。



 なるほどね。次は本格的なダンジョン攻略か。


「分かった、調べてみるよ」

「石板を解読したメモを君に渡しておこう。儂は学者じゃ、何か新たな真実が判明したり、貴重な品が出土したりした際には儂のところに来るがよいぞ」






 トレットから石板の解読メモを受け取り、次は恵みの森を抜けた先にあるという星の遺跡、森の神殿に挑むことになりそうだ。

 図書館を出て、目指すは森の神殿! ……ではなく、鍛冶屋と防具屋だ。


「鉄鉱石も手に入ったし、装備を整えるときが来たな」


 いつまでも初期装備では格好がつかない。あと、レベルが今11まで上がっている。

 『初心者の旅装』の装備制限が15レベルなので、そろそろ卒業の時期が近づいてきている。

 今の間に新しい武器と防具、作らないとな。


次話は2/12の夜に更新予定です。

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