第三十五話 ブレイドゲット
「そういうことで国策になる。使うかやめておくかはそちらの判断に任せるそうだ。結構目立つだろうからな」
うーん、装備としては非常に良いもの。しかしこれを貰うと宣伝役をすることになる。となると当然目立つ。
うむ、ここはミュー達と相談だな。
「どうしようかな」
「問題点は目立つってのと奪われるってところだね。まあそろそろ目立ってしまっても問題ないかもしれないね」
「そうねぇ。街の皆、ギルドの皆も仲良くしてくれるし、大丈夫じゃないかな。それと奪われるってのも問題ないかな。ぶっちゃけサイモンがいるし。三人はいつも一緒だからね」
「確かにそうだね。というわけで問題ないと思うよ、サイモン」
「了解。コスラさん、そのブレイドいただきます」
「わかった。少々面倒事になって悪かったな」
「いえいえ。本当は俺も使いたいくらいなんですがね」
やはり空を飛ぶというのは憧れるものだ。
「そればかりはな」
「魔力0ですからね」
「ハハハ、誰にでも弱点はあるものだ。むしろあってよかったと思うくらいだよ。正直お前は強すぎるからな」
ブレイドを貰う。
「ではな」
ギルドから出てファムが「とりあえず集中できるところで練習したい」と言うので近くの森へ。
「おーし、やるわ!」
気合を入れ練習を始めるファム。
それから3日間近くの森で特訓し、ファムは自在に飛べるようにまでなった。
「あはは! これいいわね!」
「そろそろ普通に動けるようになってきたな」
ミューも調子が良さそうだ。彼女も自由に飛び回っている、ちょっとうらやましい。
「さーてギルドにでも行こうか」
ギルドでいくつか依頼を受けそれを終わらせる。
「今日はこんなところかな」
「やあ、サイモン君」
くつろいでいるとウッドさんに声をかけられた。
「護衛の依頼を手伝ってもらいたいんだ」
「どんな内容です?」
「俺を守るってやつだな」
ウッドさんの隣りにいる頭をすっぽりとフードで隠しているローブの男がこちらに話しかけてきた。
「ああ、この声は」
「察しが良いな。そう、俺だよ」
フードを少しずらし少しだけ顔を見せすぐ隠した。リテン王だ。
「どうなさったんです?」
「ふむ、単なるお忍び旅行さ」
「それでな、ちらっと聞いたんだがお前の家には温泉があるって話を聞いてな」
「ありますよ」
「よし! 入りに行くぞ!」
「え、ええ。それは構いませんけど」
ウッドさんをちらりと見る。
「ハハハ、王はこうやってお忍び気まぐれ旅行を楽しんでいるんだよ」
「そうですか」
ウッドさんとその仲間、王とその護衛を連れ家へ。
「どうぞ、露天風呂です」
「おー、こりゃすごい」
「街で予約をとったところより豪華だね。普通の家でこれは凄いね」
「色々ありまして、元々は民宿だったんですよ」
「なりほど」
「おほ、動物も居るじゃねーか!」
ミューの言葉を思い出す。
「王様が来たんだから背中流しくらいやってあげたほうが良いと思う」
心の中でうなずき王に話しかけた。
「お背中流しましょうか」
「ああ、頼む」
VRモード起動。バトルマトリックスには王様の背中を流すゲームももちろんある。
「背中流しすげー!」
大変好評だった。
「ふぅ~、いいお湯だ」
体を洗って皆で風呂へ。
「お忍び旅行はよくなさっているんですか?」
「年に数回だな。多いか少ないかはわからんが」
「俺はこの国が好きでな。だから色々なところへ行って楽しみたいわけさ。王様やっていなければずっと旅行をしていたろうな」
ははは、自分の国が好き、か。いい王様じゃないか。
「だから王様やめていい? ウッド。面倒なんだよね!」
「今の話は聞かなかったことにしておきますよ王様」
「はっはっは、邪魔したな」
「いえいえ、またお越しください」
「またね、サイモン君」
王たちは街へ。
「私達も晩御飯を食べに行きましょ」
「ああ」
その日は飲み屋へ。
「いやー、ブレイドはいいものね」
ファムは空飛ぶ道具、ブレイドをすっかり気に入っているようだった。
「対空は課題だったからな。これで一つ弱点を克服できたかな」
「ビキッ」
ミューの方から変な音が。
「おや、宝石が割れたようだ」
「ってことは魔力アップかな」
「だと思う」
VRモード起動。ミューが表示されない。
「パワーアップしたとみて間違いないようだ」
「うん、体の底から魔力が込み上がってくるよ」
「明日次の宝石を貰いに行こうか」
「そうしよう」
次の日、森にあるクリスの家へ。
「もう一つあるよー。割れたらまた来てねー」
「ありがとう」
宝石を貰い街へと帰った。




