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第三十話 VR音楽日曜大工ゲー

 今日はポイント稼ぎをするため3人でギルドに来ていた。

 しかし稼げそうな依頼はなかった。


「今日は良い依頼がないね。お買い物でもする? ちょっと買っておきたいものがあるんだ」


「あー私も欲しい物がある」


「そうしようか」


「私は本棚が欲しい。色々買っているうちに増えてきてね」


「私は靴箱。ミューと同じようにたくさん買ったから整頓したかったのよ」


「となると家具屋さんだね」


 街の家具屋へ。


「ん~、持ってる本がちょっと大きくてねぇ、探したけど本にあった本棚がなかったよ」


「ちょっとガッチリし過ぎなのよね~。もう少しカジュアルな感じの靴箱が欲しいな」


「他の家具屋さんも見て回ろうか」


 他の家具屋へ。しかし、二人が気に入る家具は見つからなかった。


「ウソー、全滅?」


「案外無いものね。まあ、ピンポイントなものではあるけど」


「ふーむ。それなら俺が作ろうか?」


「出来るの!?」


「ああ、バトルマトリックスには家具作りもあるんだ」


「なんでもありね、そのゲームってやつ」


「と言っても本格的なものは道具、工具が色々と必要になるから今回は簡単なものなるけど」


「それでいいよ」


「OKOK!」


 材木屋さんへ。ミューに本のサイズを聞く。それに合わせて板を買った。ファムにもどんなデザインがいいか聞く。それに合わせて同じく板を購入。

 次に木材を加工する道具。ノコギリとハンマー、木工ヤスリに釘。これらを買って家に帰る。


 庭に材料と道具を広げVRモード起動。本棚から作るとするか。

 ゲームスタート、音楽も流れ出す。音楽に合わせて寸法を測り、ノコギリで木材を寸法通りの大きさにきる。次に木材の角が光りだした。木工ヤスリで面取り。音楽に合わせヤスリで角をこすっていく。面取りが終わったら、釘を打ちつけていく。あっという間に本棚が出来上がった。


「おー、すごい」


「木材を釘でくっつけただけのものだけどね」


 と言っても家具屋さんもそんな感じの作りの家具が多かった。たまにこういったところが、俺のいた世界の凄さを感じさせた。色々と進んでいるんだよね。


 今度は靴箱。お音楽に合わせて面取り。角材を釘で繋ぎ合わせて完成。


「そうそう、こんな感じのやつが欲しかった」


 二人共満足してくれたようだ。日曜大工冥利に尽きる。


 夕方になり、外へ夕食を食べに出かける。


「今日はここかな~。ピアノがあって音楽を聞きながら食事を楽しめるんだって」


「へぇー」


 店に入り食物と飲物を注文。ほどなくして店員さんが飲み物を持ってきた。

 お酒を飲みながら談笑する3人。しかし目当てのピアノの演奏はなかなか始まらない。


「あれー、ピアノはまだかな。それに情報だと待ち時間が発生するほど人気のお店って聞いてたけど私達しか居ないね」


 確かに俺達しか居ない。


「ステーキになります」


 店員さんが食事を運んできた。


「すみません、ピアノの演奏っていつ頃からでしょうか」


「申し訳ありません、今日は弾ける人がお休みなんですよ。それでその、この客入りと申しますか」


「あぁ、なるほど」


 少々がっかりするミュー。ピアノ、か。


「俺が弾いてもいいかな?」


「えー!?」


「え? ああぁ、店長に聞いてきます」


 店の奥に入っていく店員さん。少ししてこちらへ。


「いつもはお断りするんですが今日はあなた達しか居ないから特別にOK、とのことです」


「食べちゃってから弾かせてもらいます」


 食事を食べ終えてから、ピアノの場所までいき、椅子に座る。バトルマトリックスにはもちろんピアノの演奏もあります。

 VRモード起動。これは音楽ゲーということもあり相性は抜群。

 音楽スタート。音楽に合わせて指示通りに鍵を押さえていく。鍵の押さえ方の強弱はもちろんフットペダルもあるから油断はできない。


「すごーい。エルフの国にはここまで見事にピアノを引く人は居ないわ」


「あの方は何者ですか!? うまいだけではない、こんな曲は聞いたことがない」


「ははは、冒険者ですよ」


「何だ、この曲は」


 店の中から数人の店員さん達がこちらへ曲を聞きに来た。


(凄くて格好良いのだけどその、服が布の服っぽいってのはちょっと。どうしてその服を何着も買ってしまったのか……)


 ミューが真剣な表情で音楽を聞いていた。ふむ、陽気な曲のほうが良かったかな。タイミングがいいところで明るい曲に変えた。


「おぉ、これもまた見事な」


(まあ、誰にでも弱点はある。ファッションセンスがちょっと無いくらいなら別に。そのくらいなら障害にはならないさ)


 ミューが微笑んでいる。そうそう、お酒は楽しく飲まないとね。

 曲が終わると、周りから拍手が巻き起こる。


「どうも」


 少し恥ずかしくなり席へ戻った。

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