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ACT:16  激誕! 師父スズキタロウ!!

活動報告でも書きましたが、一度だけジャンル別の日刊ランキングに乗りました。

一日のユニークユーザー平均十人以下のこの作品がです。ありがとうございました!

まぁ、何の変化もなかったのでランキングの有用性に少し疑問がわきましたが、それはいいのです。


なぜかって? それはこんな作品でも読んでくれる皆さんがいるからです(キリッ)


お気に入りも増えたり減ったりの作品ですが今後ともよろしくです。

『マッパマンの歌』


 誰だ 俺だ お前(おま~え)か~ 視界の隅に 過る影

 薄い認識(に~んしき) マッパマ~ン

 無駄に鍛えた その裸体

 沈んだ気分で 見せましょう

「いら☆」いら☆ いら☆ マッパマン

「むか☆」むか☆ むか☆ マッパマン

 腹筋 六つ 割れ目は 六つ

 おお マッパマン マッパマ~ン


*合いの手(二番っ!)


 誰か 俺か お前だ~ 腐女子を生産 その変化

 銀河微少年 マッパマ~ン

 光に包まれ 晒す身は

 わいせつ(ぶ~つ)陳列罪

「いら☆」いら☆ いら☆ マッパマン

「むか☆」むか☆ むか☆ マッパマン

 股間が 光る モザイク 代わり

 ああ マッパマン マッパマ~ン


*合いの手(三番っ!)


 誰さ 俺さ (セリフ:なんだ、お前か……)

 宇宙群体(ぐ~んたい) マッパマ~ン

 いつまで 三人一(まと)

 群体扱い スズキタロウ

「いら☆」いら☆ いら☆ マッパマン

「むか☆」むか☆ むか☆ マッパマン

 恥を 忍んで 存在 示す

 おお マッパマン マッパマ~ン



 ●×●×●×●×


 ………………なんだか、とても不名誉な歌が流れたような気がする。

 屋上で、購買にて買ってきたパンをかじりながらそんなことがおれの脳裏に過る。なんだろう、あのバカ騒ぎ以来自分たちの評価は普通にマイナスになっている気がする……。

「そもそも、未だに認識が三人で〝スズキタロウ〟だし」

 どんなあだ名であろうとクラスの奴らがおれ達を呼ぶときは、個人という扱いを未だに受けていないのである。

「なんか言った、タロー君?」

 おれやタロー、キタちゃんを屋上へと呼んだ張本人の一人である叶が小首を傾げながら尋ねてきた。昼食を御呼ばれするという人生でも稀にみる珍事によって今群体スズキタロウは屋上に居ます、はい。

 あのイベント以来、叶たちとは普通に接する(個人として扱ってもらえる)ようになったが、今のようにあからさまに親しい仲を喧伝するようなことは特になかった。なので今日の昼食は何か他の人には聞かれて困る話があったのだろう。

「いや、なかなか個人として扱ってもらえる道は険しいなぁ、と」

「へぇ、タロー君は私の他にアピールしたい人がいるんだ?」

 わぁ。とっても清々しい笑顔なのに悪寒が止まらないぞぅ。なんだ、これ?

「だ、だってやっぱり名前はちゃんと読んでほしいだろ? 人として」

 おれとしてはただ基本的人権の尊重をしてほしいという目的を告げただけである。

「タロー君」

「なに?」

「……タロー君」

「……えっと?」

「私が他の人が呼ぶ分も、たくさん呼んであげるよ。だから別にいいじゃない。私だけじゃ不満、タロー君?」

 胸にクリティカル! 友達じゃなくて、本気で惚れて良いっスか、叶さん!?

 あのイベント以来、他の人たちとは対照的に叶たち三人が妙に距離を縮めるように接してくるようになった気がする。嬉しいことではあるのだが、戸惑いもある。一体おれ達のどこに友人として親しくしたいと思える点を見出したのか、自分のことながら疑問だ。

「まぁまぁ、カナ。タロー君とじゃれ合うのもいいけど昼休みもいつまでも続くものじゃないから、先に本題について話しましょう」

「……弥生はそう言いながらも、キタちゃんとじゃれ合ってるんじゃないの、それ?」

 おれの目の前で眉をしかめた叶が切り返した。おれが叶から視線を外し横にずらすとそこには、

「……弥生さん? 俺、もうコンクリートで正座という苦行から解放されたいんですけど……」

「だめよ。あなた今日の数学、居眠りしてたでしょう? ちゃんと勉強についても努力しないから三人の中でも差別化が図れないの。授業はしっかり受けなさい?」

「…………お恥ずかしながら、わからないもんで……」

「あら、だったらわかるまで教えてあげるわよ?」

 姿勢よく正座した膝に弁当箱を乗せた上代と、その正面でしばらく正座させられているキタちゃんがいた。確かに、じゃれている。

「話をするんなら、説教やめなよ」

「そうね。どうせついでだったし、やめときましょうか。手間の掛かる男の子って放っておけないのよね、私」

「俺、ついでで正座させられてたの!?」

「はいはい、ちょっと静かにしててね」

 キタちゃんの口に、上代が自分の昼食であるサンドイッチを押し込んで黙らせる。お前、それ上代の食いかけじゃなかったか? ん? キタちゃんが何かを目で訴えてきた。

『俺、勉強バンガル』

 頑張る、な。勝手に励んでろ。

「で、話っていうのは」

「勇者認定試験だよ~。前回のイベントで参加資格の特典をロー君たちに貰ったからさ、折角だし参加しようと思ってるんだよね」

「……出ればいいんじゃないの? そのためにオレ達も夏海たちに参加資格譲ったんだし」

 まぁ、ローの言う通りでもあるし、そもそもおれ達にその試験の参加条件は満たせていないからね。大前提として〝人型アバター〟であることが条件だもん。

「こらっ!」

「いたっ! 何で叩かれてんの!?」

「ロー君はもっと女の子に優しくならなきゃダメだよ! いい!? こういう場面ではこう言うの!! リピートアフタミー!」

 何故英語?

「〝そういうことなら、必要なこと全部手取り足取り教えてあげるよ〟」

「言えるかっ!」

「え~? いいじゃん、ケチ。ほら言ってごらんよ~」

 南野がニヤニヤとものすっごい良い笑顔でローの脇腹を突いている。

『タロー、決めたぜ。ラブコメ王に、オレはなるっ!!』

 勝手になってろ。なんだ? 時は大恋愛時代ってか。アホめ。心底アホめ。遊ばれていることに気づけロー。

 そんなおれ以外の腑抜けたスズキタロウは放って、話を進めることにしよう。

「確かにそれ以外の参加資格も必要になってくるけれど、皆そっちの条件は満たしていた筈だろ?」

「まぁ、ねぇ。一年間のアバターの破損回数が二回以下。プレイヤーランクB以上。それらは満たしているし、公共機関の推薦は学校のがあるし、それが使えなくても勇者認定者の推薦も弓奈さんとレイラさんが推薦してくれたわ」

「だったら勇者認定試験についての話って何? 他に相談があるようには思えないんだけど……」

「あのね、タロー君。試験内容に実技ってあるじゃない?」

「勿論あるね。ただ、どこか探索するようなモノや、地球外生物を討伐するような内容じゃなかったはずだけど?」

「うん。参加者同士のトーナメント方式で大会があるんだって」

 そうだった。勇者認定試験はサポートセンターの誇るイベントの一つで、各惑星に放映されたりする。勇者の卵たちが生まれる瞬間をリアルタイムで観戦するのだ。卵と言ってもトッププレイヤーの仲間入りをしようという者たちだ。その戦闘の見栄えはとても熱く盛り上がる。

 アバター同士だから、地球外生物の戦闘を主にする人型プレイヤーの実力を測ることに向いていないのではないのかと思われがちだが、それは違う。地球外生物をも倒すプレイヤー同士が戦うからこそ、より実力のあるプレイヤーが勝ち上がれるのだ。

「それでさ、対人戦の特訓……というか練習に付き合ってほしいんだ」

「……おれ達は魔物型だから、あんまり参考にならないんじゃない?」

「それは、私も考えたし、カナとも話したの。でも君たちは称号として魔王を授かってる。弓奈さんたちのような人型プレイヤーとも知り合いが多いんじゃないかと思ってね」

「あ~、なるほど。でも大抵がもう称号持ちになってるから練習相手にはきついかもよ? おれ達もなんだかんだで、それなりの経験はあるからどうしても手加減してしまって緊迫感に欠けたり……」

 密猟者相手に戦ってますからね、魔王A、B、Cは。

「いや、それでもいいの。だって君たちも練習が必要だろうし」

 ……あれ、聞き間違い?

「勇者認定試験と同時に、初めて勇者認定者と魔王認定者の混合トーナメントも開催されるんだって。だからタロー君たちも対人戦の練習は必要じゃない?」

 ……ちょっとまって。おい、キタちゃん、ロー! お前らトリップしてる場合じゃないぞ!

「ど……どゆこと?」

「え?」

「ん?」

 叶と上代が目を瞬いた。おれも瞬いた。互いに話が微妙に噛み合わないなかを空しく微風が駆け抜ける。


 ●×●×●×●×


 話をまとめるとこうだ。



From:星繰 弓奈 

To:鈴木 太郎 

Subject:強制参加DEATH。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

あんたたちのエントリーはもう済んでるから、よろしく!

うちの夫や〝龍皇〟、レイラも参加するから逃げんじゃないわよ……?

叶ちゃんたちの推薦はこっちでしといたから、あんたたちは彼女たちをしっかり鍛えなさい! あんないい子たち、しっかり勝たせなさいよ!


もし、断ったり失敗したりしたら…………娘に、あんたたちの所在を教えマス(^_^)/~←天国に逝けるといいね?



 From:鈴木 太郎

 To:星繰 弓奈

 Subject:Re:強制参加DEATH。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 マジ、勘弁……(T_T)

 本気で取り組むので、〝ツンデレーヴァティン〟だけはおやめください。

 話し合えばわかり合えると思うんです、ぼく。だって、人間だもの。



 以上、メールの遣り取りです、ハイ。


 ●×●×●×●×


 やってくれたよ、あの女!

 また変なイベントに参加しなきゃならん! 別に叶たちと参加するのが嫌なわけじゃないけど、「あいつら」が関わってくる時点でおれたちにとっていい結果にはなるまい……!

「そういうことなんだけど……だめ?」

「お任せなさい、マドモアゼル……!」

 首かしげるのは、反則。叶さん、イエローカード。そんなこんなで魔王A、B、Cのトーナメント参加が決定。

「ありがとう、タロー君!」

「じゃあお礼に弁当頂戴」

どさくさに紛れて叶のおかずを摘まもうと思っていたため、ついそんな要求をしてしまった。とにかく許可と同時にあの卵焼きを捕獲である。

「これ? はい」

 そして、俺が摘まもうと思うと同時、箸で差し出される卵焼き。

 ……あ~ん? 伝説のあ~んですか?

 と、そんな時だ。このおれのハッピーイベントを中断させるイベントが起こったのは。

今まであまり気にしてなかったけど周りにももちろん昼食をとる生徒がいる。その中から一人の男子生徒がおれ達の方に近づいてきた。

「……あの、ちょっと話いい?」

 さわやかな短髪に、長身が映える。剥き出しにされた額がまたさわやかだ。まくった袖、少し着崩したシャツがそこはかとないワイルドさも感じさせる。脚、長っ!

「速水君?」

 そう、お忘れの人もいるかもしれないが同じクラスのスポーツイケメン速水です。

 ケッ、イケメソがぁ……! おれのイベントシーンを返せよぅ……!

「鈴木君もさ、ちょっとお願いがあるんだけど……」

 何かね、速水君? え? 態度が違う? 何を言う。おれをおれとして認識してくれるのなら話は別ですよ。中々、いいやつじゃないか速水君。

「……タロー君の評価基準は、おかしいよ」

 そんなことはないと、あとで説明することにしてまずは速水の話を聞こうじゃないか、叶さん。

「いや、俺もその認定試験に出ようと思ってるんだけど……」




 色々長かったので要約しましょう。

 速水が言うには、こうだ。

 自分も一緒に訓練してもらえないか、と。要はおれ達〝魔王群体・スズキタロウ〟の実力を頼ってということらしい。

 因みにおれは快く引き受けた。

 何故なら速水の参加理由がとてもピュアで断りきれなかったのだ。

 実は速水、イケメンだがあの〝貴公子〟集団には参加していない。理由は小学生からの幼馴染にずっと一筋で、現在片思い中、高校も一緒。しかし彼女の写真も見せてもらったところ、顔立ちは整っているがどこか素朴な感じで誰も外に目を向けないような雨の日にひっそりと咲くアジサイのような存在感だった。そんなこともあり、イケメンとしてちやほやされる自分と幼馴染の彼女は少し疎遠気味になったという。

 そんな中、地道に頑張ってきたプレイヤーとしての活動が評価され勇者認定試験の参加資格を得た。それで今回見事に勇者になれたら想いを告げようと思ったらしい。

「……俺、昔は体が弱くてその幼馴染にとても世話になったんだ。今でもその名残で時々尻ごむ時があったりと思い切りが付かない時がある、それでずっと告白できなかったんだけど……」

 一体、どこの話の主人公? と思わなくもなかったが素朴に頑張る少年の味方ですよ、スズキタロウは。

 断じて評価を上げようとか心づもりはない…………はずだ。

「――ふっ、水臭いぜ。オレ達クラスメイトだろ、ハヤミン?」

「そうさ。俺達は助け合える仲だろう?」

「鈴北君……珠洲君……」

「おいおい、ローと呼んでくれよ?」

「俺は、キタちゃんだ。俺達……友達だろう?」

「ロー、キタちゃん……」

「任せとけ、ハヤミン」

「俺達がお前を(おとこ)にしてやる」

 いや、お前らいつの間に話に加わってきた?

「……キミ達の友情は少し安売りしすぎなんじゃないかい?」

 そう言ってくれるな上代すぁん。個人認識ってとても大切だと思うのだよ?

「オレ達のことは、師父と呼べ!」

「ロー師父!」

「結構ノリが良いのな、ハヤミン」

「で、誰がローでキタちゃん? もう一人も名前は何とか憶えても判別できないんだけど……」

「……」

「……」

 ……そりゃ、無いぜ。ハヤミン(T_T)。

「え、えっとね速水君! 一番右が……」

 叶が心に沁みる優しさでおれ達を紹介しようとした、そのときだった。

「あいや、待たれぃ!」

 また、変なのが来た。


 ●×●×●×●×


「話は聞いたぞ、マッパマン」

「吹き飛ばすぞ、紳士の中の紳士」

「もてない男の代名詞め」

「ホ〇ワーツにでも転校しとけよ」

 一生女性関係に縁がないくせに。

 見た目は大人、貞操子ども。その名は迷単貞(めいたんてい)、困難。無駄撃ちはほどほどにな? 孤独な人生、ご苦労様です。

「うるさいわ! モブの中のモブ! 認識されない男の代名詞! 誰が魔法使いの卵だ!」

「こらこら。キミ達も氷室先輩も。話が進まないじゃない」

「うっ……悪かったよ」

「……確かにそうだな。上代の言うとおりた、気を付けよう」

 上代に窘められるこいつは、誰あろう〝マスター・オブ・ジェントルマン〟氷室 礼志である。何の用だ?

「俺も鍛えてほしい」

「あ~、今日はどこに行く?」

「久々に火星で良いんじゃん?」

「あ、賛成」

「聞けよ!! いいじゃないか! 聞いたぞ? あのイベント以来噂になってるじゃねぇか」

「噂?」

 嫌な予感しかしない。

「お前ら女っ気が無くても平気なんだろ? だったら新しく加わるのも男の俺でもいいじゃねぇか。さすが群体。無性生殖なんだな」

 本気でぶん殴ったおれ達に非はないと思う。断じてBLじゃないから! それにちゃんと有性生殖です。女の子に興味津々だよ!

「殴ったね……? 親父にも……」

「早く目的を語れよ、ジェントル」

「ちっ。ノリの悪いモブだ。いいか? 俺はもてたい。そのためには今回のイベントは打ってつけなんだ。そのためにこうして貴様らに頭を下げて頼んでるんだろうが」

「いつ、頭を下げた?」

「そういうことなら、少し待って!」

 またまた、なんか来た。あれも見覚えあるぞ。確か〝オン・ザ・ボーダーライン〟中山津 紫穂だったか。

「私だって、もてたい!!」

 そんなお前らに言っておこう。

『おれ達のほうこそもてたいわ!!』

「前回のイベントであれだけ見せつけておいて何を言う!」

「そうよ! 誰が誰だか判別できないけど恵まれてるじゃない!」

「……その個人認識は果たして恵まれてるのか?」

「ストップ! 話が進まないよ。少し落ち着いて話そうか」

 上代が間に入らなければ、この事態は収束しなかっただろうと思う。


 ●×●×●×●×


「……とりあえず、お前らも勇者認定試験に参加するんで既に称号持ちであるおれ達に鍛えてほしいと、そんなとこか?」

「そうよ。前回のイベントで少し自分の矮小さに反省したの。だから今回はいい機会だと思って、羽場下さんに言われたように自分を磨く努力をしたいの。今まで蔑にしてきたキミ達とも交流を深めることも出来るし」

 少しそっぽを向いて中山津。基本、どこにでもいるいい人なんだろう。少しでも歩み寄ってきてくれる人がいるとわかっただけでおれ達の苦節十六年は無駄じゃなかった……。

「俺は、もてたい」

 ストレートすぎるのもどうかと思うぞ、氷室? いやそこまで欲望に忠実だからこそ〝マスター・オブ・ジェントルマン〟なんだろうけど。

「まぁ、そういうことなら協力することもやぶさかではないんじゃないか、タロー?」

「ローの言うとおりだと思うぜ。どうせならこの機会に〝マッパマン認識〟を消し去るぐらいの活躍をしようじゃないか」

「え~、良く鍛えられたいい体だったじゃん。そこは自慢してもいいんじゃない?」

「ちょ、突くな! 脇腹を突くな! いや、ホント勘弁してください夏海さん……」

 じゃれ合う南野はローに任せよう。

「評価はともかく、頼ってくれるんであれば別に構わないし練習には付き合うけど……試験まであとどれくらい期間があったっけ?」

 この疑問には叶がクエストカードのスケジュールを開きながら答えてくれた。

「あと十五日だね」

 結構急ですね? ほとんど猶予がないから学校も推薦権をさっさと使ってしまおうと思い賞品としたのだろう。使わないのはもったいない上にもし認定されれば学校でも鼻が高い。どうせなら先の〝ターゲット・オブ・スズキタロウ〟で可能性のある生徒を選別して、学校の宣伝をしようという腹積もりもあってのことだな、多分。

「それならもう今日の放課後から練習っていうか、特訓っていうか始めたほうがいいな」

「受けてくれるんだ? ありがとう」

「それはそうと、お前ら一応学校内の派閥のトップだろ? 組織の特性上、抜け駆けみたいなことになるんじゃないの?」

「大丈夫よ。そもそもあの集まりの信条があれ以来〝己を磨く普通の女子の集まり〟に変わったから。そこの紳士(バカ)はどうか知らないけど」

「そんなの関係ねぇ!」

 その勢いはある意味で男らしい。そこまで思いつめるなよ……もしあれだったら「人類補充計画」に参加すればいいだろうに。まぁ頑張りたいというなら協力しようじゃないか。

「氷室……」←ロー

「ジェントルマン……」←キタちゃん

「よしお……」←おれ

「最後のは、誰だよ!?」

 はい、おっぱっぴー。

 とりあえず叶たち含めて六人の勇者候補の面倒を見ることになった。またまた忙しくなりそうだ。まさか群体扱いのおれ達が他のプレイヤーの面倒を見ることになるとは思わなかった。

 やるからには、頑張ろう。

「よろしくね、タロー君」

「しっかり頼むよ、キタちゃん?」

「頼りにしてるからね、ロー君!」

 うん、ホント。誰かに頼られるということが初めてだけど、頑張ろうと思う。


ご意見含めた感想等をお待ちしています。


では、また次回!

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