表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文字サイズは、「極大」から、老眼に負けるもんか!  作者: 藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/59

コミュニティと、渋すぎる会話

ある日、アプリの片隅に「盆栽仲間と交流しましょう」というボタンを見つけた佐藤は、恐る恐るタップしてみた。

てっきり、若者たちのSNSのような、賑やかで軽い言葉が飛び交う場所を想像していた。だが、そこに広がっていたのは、思いのほか静かで、専門的な会話の連なりだった。

『五葉松の芽摘みの時期について、皆様のご意見を伺いたく』

『針金かけの角度、この写真ではやや強すぎるように見えます』

『樹齢六十年、ようやく理想の枝ぶりに近づいてまいりました』

「……ほう」

そこには、派手な「いいね」の数を競う空気も、目立つための過剰な演出もなかった。ただ、同じように長い時間をかけて木と向き合う者たちが、淡々と、しかし熱心に言葉を交わしているだけだった。

佐藤は、しばらく画面を眺めたまま、動けずにいた。

「……俺にも、話せることが、あるかもしれんな」

震える指で、初めての投稿を打ち込む。

『五葉松、樹齢四十年。今年は例年より芽の伸びが早く感じております。皆様のご経験では、いかがでしょうか』

しばらくして、見知らぬ誰かから、丁寧な返信が届いた。専門的で、そして温かい言葉だった。

佐藤の胸に、あのスリランカの一件の時と同じような、静かな高揚が広がっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ