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文字サイズは、「極大」から、老眼に負けるもんか!  作者: 藤一


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写真と、日付のズレ

意気込んだ佐藤は、まず「過去の記録」から遡って入力してみることにした。アルバムに残っていた、数年前の黒松の写真を一枚ずつアプリに取り込んでいく。

「これは……たしか三年前の、剪定した直後の写真だな」

几帳面な佐藤は、記憶を頼りに、写真ひとつひとつに丁寧な日付を打ち込んでいった。ところが、いくつかの写真を登録し終えたところで、成長グラフを表示させてみると、妙なことに気がついた。

「……む? なぜ、三年前の記録が、去年の記録より新しい位置に出ているんだ?」

グラフはぐちゃぐちゃに乱れ、時系列がまるで意味をなしていない。

「まさか、記録そのものが壊れているのか……!」

いつもの駆け込み寺で、鈴木店員に事情を説明する。鈴木はいくつかの写真の詳細情報を確認し、すぐに合点がいったようだった。

「佐藤様、これは……写真自体に記録されている『撮影日』と、佐藤様が手で入力された『登録日』が、食い違ってしまっているんです」

「同じ写真なのに、日付が二つあるということか?」

「はい。カメラが自動的に記録する『本当の撮影日』と、佐藤様が手作業で選ばれた日付、この二つが別々に扱われてしまっているんです」

鈴木の案内で、佐藤は写真の「本当の撮影日」を優先して読み込む設定に切り替えた。すると、グラフはみるみるうちに正しい順番に並び直していった。

「おおっ……! 木の成長が、ちゃんと一本の道になった……!」

「はい。これで、佐藤様の三十年が、正しい順番で刻まれていきますね」

その言葉に、佐藤はなぜか少し目頭が熱くなるのを感じた。

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