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最終話 世界大改造、それは終わらない「理想の未来(残業)」

天を覆い尽くす金貨十兆枚相当の超巨大複合魔法陣『新連合予算・総力執行メガ・ディフレ・バスター』の光が荒野を照らしたあの日。

バルハイト帝国の十万の正規軍は、戦う気力すら完全に喪失し、その圧倒的な資本と武力の前に無条件降伏を余儀なくされた。

アレン(ナオト)を最前線へ追放し、裏で魔王の力にまで手を染めて街を潰そうとしていた第一皇太子とその一派は、アレンが第7話で育成した優秀な文官たちによる『国家不正横領・闇取引の徹底監査(内部告発)』によって、一瞬にして社会的・法的に失脚。

無駄な戦火を交えることなく、帝国の心臓部である王都中央政府は、アレン率いる【新ガルガルド連合特区】によって完全に経済的・合法的に「吸収合併(M&A)」されたのだった。



それから数ヶ月後。

かつての戦乱の大帝国『バルハイト』の王宮は、近代的なガラス張りの『中央合同庁舎・新ガルガルド本庁』へと大改造されていた。

かつて剥き出しの暴力と弱肉強食が支配していた大陸は、アレンが前世の知識をフル活用して制定した『大陸共通市場開放令』と『全種族社会保障法』によって、人間、魔族、獣人が誰も飢えることなく、公平に暮らせる「超巨大理想経済国家」へと生まれ変わっていた。

「――ナオト様! 帝国全土の下水道インフラの整備、および野生綿毛ウサギの酪農組合の第1期事業報告書が完成しました! 査定をお願いします!」

最高総理大臣となったリーネが、嬉しそうに大量の書類をデスクに置く。

「ナオト、旧王都の魔導インフラのライセンスビジネス化も順調だ。これで我が国の防衛予算(保有魔力)は、また天文学的な数字を更新したぞ」

国防長官のマルタが、誇らしげに大剣を背負って微笑む。

「お兄ちゃん! 獣人領の特産高級フルーツの流通ルートも完璧だよ!」

酪農総帥のクロエが、アレンの腕に抱きつく。

「アレン様……いえ、ナオト様。あなたという一人の文官のおかげで、本当に世界が丸ごと大改造されてしまいましたね」

新政府の次官となったエリックが、深い敬意を込めてお茶を差し出した。



デスクに座るアレン――大野直人は、新しく【製図】で作った眼鏡の奥の目を細め、目の前に広がる完璧な財政計画書と、窓の外に見える活気あふれる近代都市の景色を眺めた。

戦闘スキルは「無能」と言われ、二度も過労死を経験した。

だけど、現代の役所で培った『都市管理タウンマネジメント』の知識と、目の前の住民を誰も見捨てないという確かな優しさ、そして書類の力があれば、神の奇跡や聖剣をも超えて、世界をこれほどまでに豊かに変えることができる。

「みんな、本当にありがとう。僕たちの作った新しいお役所のシステムは、これで100%完成だ」

アレンは静かに立ち上がり、相棒である一本の羽ペンを胸のポケットに収めた。

リーネたちが「お疲れ様でした、ナオト様!」と、ついに激務から解放された彼を労おうとした、その時。

アレンは不敵な、最高に楽しそうな「公務員スマイル」を浮かべて、デスクの引き出しから、さらに凶悪なまでの厚みを持つ『次年度・大陸全土インフラ超大改造計画書(未着手)』の束を取り出した。

「さあ、第一期の大改造は終わった。だけどね、みんな。国がこれだけ大きくなったということは……明日からの『全大陸規模の施工管理と、全住民の確定申告の手続き(残業)』が、これまでの無限倍に増えるということだからね!」

「「「「――ええっ!?!?」」」」

リーネたちの愛に満ちた絶叫が響き渡る中、世界最強の元公務員アレンの、終わらない理想の未来への「幸せな残業」の幕が、これからもどこまでも上がっていくのだった。

いやーやっと終わった感がありますね。

この作品が面白いと思ってくれた方、ブクマつけてくれた方に宣伝?です!


今度も長編小説を投稿します!

この作品の外伝もやるかもしれません!


ではまた次の作品で会いましょう〜

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