第41話
続けた。
そのまま、
外に出た。
問題はなかった。
社会は、
受け入れた。
拒まれなかった。
用意された場所に、
そのまま収まった。
困ることはなかった。
それだけだった。
仮面は、
外さなかった。
外す必要がなかった。
長く使っていた。
そのまま、
自分になっていた。
内側も、
変わっていた。
揺れは少なかった。
偏りも、
減っていた。
残っていたものも、
静かになっていた。
人間味は、
薄くなっていた。
それで、
問題はなかった。
そのまま、
続けた。
あるとき、
家を思い出した。
理由は、
よくわからなかった。
必要でもなかった。
でも、
向かった。
足は止まらなかった。
それで、
戻った。
そこにあったのは、
前とは違うものだった。
時間が、
過ぎていた。
形が、
変わっていた。
残っていたのは、
老いた女と、
一人の男だった。
兄だった。
前とは違っていた。
静かだった。
荒れていなかった。
それを見た。
そのまま受け取った。
ここは、
もう違うと思った。
前の場所ではなかった。
同じではなかった。
それが、
はっきりしていた。
中は、
動かなかった。
憎しみは、
出なかった。
向ける先が、
なかった。
本能が、
違うと言っていた。
そこで、
止まった。
少しだけ考えた。
この人間たちは、
何かを失っていた。
欠けていた。
弱っていた。
それを見た。
そのまま理解した。
対象は、
変わっていた。
壊すものではなかった。
放っておくものでもなかった。
関わるものだった。
そう思った。
理由は、
多くなかった。
でも、
十分だった。
外に戻ることもできた。
そのまま進むこともできた。
でも、
選ばなかった。
そこで、
残ることにした。
戻ることにした。
用意されていたものを、
捨てた。
そのまま、
家に入った。
支えることにした。
それだけだった。




