第30話
同じ部屋に通った。
同じ顔ぶれだった。
それでよかった。
話すことは、
そのまま増えた。
短い言葉が続いた。
それでよかった。
そのうち、
流れができた。
誰かが話し出すと、
そのまま続いた。
止まらなくなった。
それでよかった。
勉強もした。
同じところを開いた。
わからないところを、
そのままにしなかった。
少しだけ考えて、
答えた。
それで、
進んだ。
それでよかった。
誰かが止まると、
別の誰かが話した。
それで、
また続いた。
それでよかった。
その中で、
自分が話すことも増えた。
説明をした。
順番を整えた。
話を戻した。
それで、
まとまった。
それでよかった。
誰かに頼まれたわけではなかった。
でも、
そうしていた。
それで、
うまくいった。
それでよかった。
部屋にいるときは、
少しだけ楽だった。
それでよかった。
それだけだった。
何もしていないときでも、
中で何かが言っていた。
それは、
そのまま聞いた。
無理に止めなかった。
それでよかった。
そのまま、
過ごした。
それでよかった。
そのあと、
外に出た。
一人で歩いた。
前と同じだった。
でも、
少しだけ違っていた。
人を見た。
話している人を見た。
それで、
少しだけ考えた。
前ほど、
遠くはなかった。
ある日、
声をかけられた。
知らない女子だった。
特に理由はなかった。
ただ、
そうなった。
それでよかった。
少しだけ話した。
大したことではなかった。
それで終わった。
そのあとも、
何度か会った。
同じように話した。
それでよかった。
理由は、
よくわからなかった。
でも、
続いた。
それでよかった。
それだけだった。




