第27話
家に戻った。
しばらくぶりだった。
何も言われなかった。
それでよかった。
少しして、
話をした。
長くは話さなかった。
必要なことだけ言った。
十八まで、
養ってほしいと頼んだ。
理由は、
言わなかった。
それでよかった。
少し間があって、
許された。
それでよかった。
その日から、
仕事には行かなかった。
行く必要はないと思った。
それでよかった。
学校には、
そのあとで行った。
教室には入らなかった。
別の部屋に通された。
誰もいなかった。
机と椅子だけがあった。
それでよかった。
それだけだった。
決まった時間に行った。
でも、
いつ帰ってもよかった。
そう言われた。
それでよかった。
最初は、
少しだけいた。
そのまま帰った。
給食の前に帰った。
それでよかった。
何日か続けた。
同じように行って、
同じように座って、
同じように帰った。
それで、
困らなかった。
それでよかった。
それだけだった。
何もしていないときでも、
中で何かが言っていた。
やめろと、
言っていた。
でも、
前とは少し違っていた。
止めるだけじゃなかった。
別の方向を指していた。
それでよかった。
そのままにした。
ある日、
鏡を見た。
久しぶりだった。
黒い髪の中に、
白いものが残っていた。
でも、
前よりも白が少しだけ減っていた。
気のせいかもしれなかった。
でも、
そう見えた。
少し軽くなった。
それでよかった。
そのまま続けた。




