第26話
同じことを続けていた。
同じ場所に行って、
同じことをした。
それで、
困らなかった。
それでよかった。
ある日、
少し早く終わった。
やることがなくなった。
そのまま、
外に出た。
特に行く場所はなかった。
歩いた。
いつもと違う道を歩いた。
少しだけ遠くまで行った。
学校が見えた。
時間は、
まだ明るかった。
人がいた。
制服を着ていた。
何人かで話していた。
笑っていた。
それだけだった。
少しだけ止まった。
見ていた。
理由は、
よくわからなかった。
ただ、
見ていた。
少しして、
目を逸らした。
そのまま歩いた。
でも、
残った。
頭の中に残った。
あの中にいたかった。
そう思った。
少しだけ考えた。
今の自分が、
恥ずかしかった。
何をしているのか、
わかっていた。
許されるなら、
やり直したいと思った。
何もしていない人間として、
生きてみたいと思った。
普通が、
羨ましかった。
そのあとも、
同じことを繰り返した。
仕事に行って、
終わって、
歩いた。
同じ場所を通った。
そのたびに、
同じことを考えた。
何もしていないときでも、
中で何かが言っていた。
やめろと、
言っていた。
それとは別に、
もう一つあった。
小さかった。
でも、
消えなかった。
戻りたいと思った。
それでいいと思った。
ある日、
少しだけ決めた。
戻ってもいいと思った。
それだけだった。




