第23話
同じことを続けた。
店に入って、
手に取って、
そのまま出る。
何度か繰り返した。
最初よりも、
迷わなくなった。
それで、
困らなかった。
あるとき、
少しだけ止まった。
店の中で、
周りを見た。
人がいた。
見ていないようで、
見ている気がした。
少しだけ考えた。
そのまま出た。
何も持たずに出た。
外に出て、
少しだけ考えた。
店は、
見られると思った。
誰に見られているかは、
わからなかった。
でも、
見られると思った。
それなら、
やめた方がいいと思った。
金がないなら、
取ればいいと思った。
そのまま、
歩いた。
人を見た。
持っているものを見た。
手の動きを見た。
目線を見た。
少しだけ考えた。
そのまま近づいた。
声をかけた。
何を言ったかは、
よく覚えていない。
でも、
相手は止まった。
そのまま、
手に持っていたものを取った。
抵抗はなかった。
そのまま離れた。
それで、
終わった。
少しだけ考えた。
店よりも、
簡単だった。
その方が、
見られなかった。
その方が、
間違えなかった。
それでいいと思った。
それからは、
同じようにした。
人から取った。
何度か繰り返した。
困らなかった。
それでよかった。
それだけだった。
ただ何もしていないときでも、
中でもっと大きく何かが叫んでいた。
それが何かは、
もうわかっていた。
今やっていることを、
やめろと言っていた。
間違っていると、
言っていた。
それでも、
無視した。
無視した方が、
うまくいった。




