第21話
学校には、
行かない日が少しずつ増えた。
最初は、
朝が少し遅くなっただけだった。
起きていた。
目も覚めていた。
でも、
体が動かなかった。
理由は、
よくわからなかった。
具合が悪いわけでもなかった。
でも、
動かなかった。
そのまま、
行かなかった。
一日だけのつもりだった。
でも、
次の日も同じだった。
起きていた。
でも、
体が動かなかった。
それを繰り返した。
家では、
言われた。
学校に行けと。
何度も言われた。
行かなかった。
そのうち、
言葉は強くなった。
手も出るようになった。
それでも、
行かなかった。
行けなかった。
しばらくすると、
何も言われなくなった。
静かになった。
それでいいと思った。
その方が、
楽だった。
でも、
家の中は落ち着かなかった。
どこにいても、
少しだけ居心地が悪かった。
同じ場所にいても、
気が休まらなかった。
それが普通になった。
外に出ることが増えた。
行く場所は、
特になかった。
歩いていた。
同じところを、
何度も回った。
時間が過ぎた。
それでよかった。
ある日、
帰るのが少し遅くなった。
暗くなっていた。
家の前まで来て、
少し止まった。
中に入る理由が、
よくわからなかった。
少し考えて、
そのまま離れた。
その日は、
帰らなかった。
特に何かを決めたわけじゃなかった。
ただ、
戻らなかった。
それだけだった。
夜は、
知らない家で過ごした。
初めての場所だった。
落ち着かなかった。
でも、
外よりはましだった。
そのまま、
朝までいた。
次の日も、
戻らなかった。
理由は、
よくわからなかった。
でも、
戻らなくても、
困らなかった。
それでいいと思った。
そのまま、
戻らなかった。




