表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも生きる。怪物のまま  作者: 介入者


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/43

第12話

夜になると、


母に呼ばれることがあった。


「行くよ」とだけ言われた。


どこに行くのかは、


聞かなかった。


聞いても、


同じ答えしか返ってこない気がした。


外は暗かった。


手を引かれて歩いた。


道は知っているはずなのに、


夜になると少し違って見えた。


着いた場所には、


人が集まっていた。


知らない人たちだった。


でも、


みんな同じ顔をしていた。


静かで、


少しだけ真面目な顔だった。


中に入ると、


同じような言葉が聞こえてきた。


何度も繰り返されていた。


意味はわからなかった。


でも、


間違っていない感じがした。


母も、


その中にいた。


口を動かして、


同じ言葉を言っていた。


家にいるときより、


少しだけはっきりして見えた。


迷っていない顔だった。


僕は、


端の方に座っていた。


何も言わずに、


そのまま時間が過ぎるのを待った。


ときどき、


誰かがこっちを見た。


でも、


何も言わなかった。


僕も、


何も言わなかった。


長い時間だった。


どれくらいかは、


よくわからなかった。


終わると、


みんな静かに立ち上がった。


母も立ち上がって、


そのまま外に出た。


帰り道で、


母は少しだけ話した。


「これは正しいことだから」


「ちゃんとしていれば、大丈夫だから」


前にも聞いたことのある言葉だった。


僕は、


頷いた。


意味はよくわからなかった。


でも、


間違っていない気がした。


家に帰ると、


また静かだった。


兄がいる日もあったし、


いない日もあった。


どちらでも、


あまり変わらなかった。


僕は、


そのまま寝た。


何も考えないようにして、


目を閉じた。


少しだけ、


昼よりも静かだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ