表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
841/847

第138話 定期公演#11 その2~もう少しでデビューから2年

 さあ、あと3分で定期公演#11のプログラムが開始する。 

 ≪初夏≫のみんなは控室を出て、真っ暗闇の中、ゆっくりと中央の特設ステージに向かっているところだ。

 ボクとレイは控室でみんなを送り出した後、モニターで会場の状況をチェック中。


 超満員の代々森第一体育館。

 暗闇の中にチラホラペンライトが灯って見える。


 約9000席のプレミアムチケットはもちろん完売している。

 ファンクラブ会員の優先申し込み抽選で7000席。一般販売で2000席。

 ファンクラブ優先枠への申し込みは5万件以上。一般販売では、開始直後にチケット代行サービスのサーバーを落とすという貫録を見せつけたわけで。


 さすがに今の≪初夏≫の人気から考えて、ちょっと箱が小さすぎたかもしれないね。今なら武道館も埋められると思う。もしかしたらドームツアーなんてことも現実味を帯びてくるのか?


 まあでも堅くいきたいという上層部の考えもわかる。

 これまでの定期公演はずっと無料で配信を続けてきたわけだし、決して安くない有料のチケットを買ってまでライブを見たいと思ってくれるファンがどれくらいいるか。それを確認するのは今回しかなかったわけで。


「かえでくん、ちがいますよ」


 レイがボクの肩を叩いてくる。


「ん、何が違うの?」


 デカい箱を押さえて、ぜんぜん観客が入らなくて……みたいなことを避けたかったんでしょ?「何があっても満員にするぞ」って気持ちで代々森第一体育館を押さえてまで有観客でライブをするわけだから――。


「そうではないです。ここは≪初夏≫がデビューした聖地です。デビューの時には、うみ先輩はケガでこのステージに立てませんでした。だから≪初夏≫が再スタートを切るのはここしかないんです。≪初夏≫は再びここから大きく羽ばたいていく。それをファンの方々に見せたいという想いが込められています」


「なるほど……たしかに……」


 お金の計算ばかりしていて恥ずかしい……。

 そうだよね、ここは≪初夏≫の聖地だ。

 定期公演中も何度かお世話になったけれど、それは全部無観客ライブでのこと。やはりファンを入れてライブをやってこそ、というところはあるよね。


 2023年10月9日。

 もう少しでデビューから2年か。

 あっという間だったなあ。

 あの時、≪初夏≫のためにペンライトを振ってくれた人たちは、今日も来てくれているのだろうか。


 彼らに頭を下げるのではなく、堂々と胸を張って言いたい。

「2年経ちました。あの時あなたたちが勇気をくれたから、わたしたちはここまでやってこれました。これからも大きくなり続けるわたしたちを、どうか見守っていてください」ってね。


 古参のファンたちはチケットを手に入れられたのかな。

 SNS上での当選・落選の報告はたくさん見た。

 あの人は当たっていて、この人は外れていて……。ファンのみんな全員に見てほしいけれど、今日はオンライン配信はなしなんだ。ごめんな。


「そういえば、その子さんはどうなったのでしょうか?」


 レイが気にしているのは、メイメイの最古参のファン――サイキック@メイメイ単推しこと、ボクらの高校時代からの同級生、宮川その子のことだ。

 ボクの地味友として親友枠に入れてあげていたのに、最近めっちゃオシャレだし、なんならオタサーの姫みたいにメイメイファンからチヤホヤされているし、小物制作系のVtuberとして人気を博しているし、完全に裏切り者だよ!


「ああ、なんか、一般販売で購入できたらしいよ。速攻サーバーが落ちたのによく買えたよね」


「それは良かったですね」


「でも2階席の端っこだってさ。まあ一般販売だと場所はそうなるよねえ。わかっていただろうに。『こんな遠くじゃメイメイが見えないじゃないですか』ってプリプリしていたからさ、一応用意しておいた関係者席のチケットを渡そうとしたら、『私は関係者ではないので受け取れません』って、結局いつものその子だったわ」


 なんでか、ちょっと融通を利かせようとするとめっちゃ断ってくるからなあ。

 わかってはいたけれど、「ファンクラブ優先枠落ちた」って今にも死にそうな顔をして言うから、さすがに関係者席のチケットを用意しちゃったんだよね……。チケットを余らせるのもあれだから、ちょうどスケジュールが空いていたMINAさんに押しつけておいたけどさ。


「MINAさんもミーハーなところがありますから、とても楽しみにしてくださっていたようですよ。青と黄色のペンライトを用意して、ライブが始まるのを待っていらっしゃいます」


「そこから見えるの?」


「心の目で」


 心の……そうですか……。

 まあ、青いペンライトはチケットと一緒に渡しておいたからね。「必ずこれを振れ。さもなくばライブに来なくて良い」とね。


 だけどなんで黄色いペンライトを買い足してるんだよ!

 今日はボクは出ないからね⁉


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ