第129話 マキカエレイ特別配信 その29~シャドウスパイダー殲滅大作戦
レイが告知してくれたおかげか、配信の視聴者がけっこう増えてきた!
もしかしたらこのゲーム配信を始めて、1番の同接数かも?
「それではシャドウスパイダー殲滅大作戦、開始します」
“タイトルにひねりがない”
“いけいけゴーゴー”
“放火魔カエデ”
“うまくいくといいな”
“チィタマセクシー大作戦”
“ガソリン足りるのかな”
“中の規模がわからんしな”
“いざとなったらビーム連発でいけるっしょw”
“それな”
そんな雑な……。
まあね、ボクも気がかりではあるんですよ。
チラッと見ただけだけど、割れ目の中の空間はけっこう広そうだったからね。ガソリンの炎で全部焼き払うというよりは、煙で蒸し焼きにする、みたいな感じになるのかな。ほかに出入り口があると逃げられちゃうかな……。と思ったけれど、逃げてくれるならそれでも良いか。かっこつけて殲滅とか言ってみたけれど、無力化できればマップの先に進めるし。
「よーし、ガソリンタンクとランタンは全部放り込みました。それではさっそく『セクシー・チィタマ・ビーム』をお見舞いしてやろうと思います!」
精神統一。
心を全裸に……。
ボクはセクシーなチィタマ……。
『ルーナちゃんはセクシー』
ルーナちゃんはセクシー。
って、精神統一の最中に割り込んでくるのやめて⁉
『セクシーさに定評のあるルーナちゃんがお手伝いしてあげようかな~って♡』
いや……下手なアイコラみたいなイメージ映像を送ってくるのやめて? ルーナちゃんの顔にウーミーの体を合成したみたいなの……違和感がすごすぎてセクシーではないかな……。
『ぶ~ぶ~。じゃあ、ルーナちゃんモザイクなしバージョン♡』
ちょっ!
ホントの全裸は違っ……あれ? 急に映像が消えた? 何かのトラブル?
(ルーナさんはお疲れになったので少しお休みになるようです)
あ、そうですか……。
また悪ノリするから粛清されるんだよ……。完全に自業自得だな。
(早く『セクシー・チィタマ・ビーム』を撃ちましょう。このままだとガソリンに反応してシャドウスパイダーが穴から出てきてしまいます)
ああっ! そうだった! ダラダラしている余裕はない!
精神統一……精神統一!
(こちらの映像を見て、気持ちを高めてください)
ん……んーんん……。
このシチュエーション、ウーミーのイメージビデオで見たなあ。レイさんが完全再現ですか……。
(気持ちが高まりましたか?)
あ、はい……。
この映像も売ったら普通に売れそうだなあ。
(この映像は30秒後に消滅します)
もったいない……。
(早く撃ってください)
「セクシィィィィィィィィィィィィチィタマァァァァビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィビィィィィィィィィィィ」
なるべく集束させて、壁の割れ目の隙間を通すように――いいぞ、想像していた通りにうまく照射できている!
「ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
なるべく長く!
ボクの息が続く限り!
「ィィィィィィィ……ィィィ……ィ」
ぷはっ、限界だ。
はぁはぁはぁ。
でも、ありったけのビームを撃ち込んでやったわ! どうだ⁉ ガソリンに火がついたか――。
ドゴォォォォォォン。
壁の向こう側から鈍い爆発音が聞こえてくる。
ドゴォォォォォォン。
ドゴォォォォォォン。
ドゴォォォォォォン。
中では連鎖的に爆発が起こっている?
これは成功なのか⁉
「お、おお⁉」
壁の割れ目から黒い煙が噴き出してきた!
「煙が出てきたってことは、ガソリンに火がついたのかも! 成功ってことかな⁉」
ドゴォォォォォォン。
ドゴォォォォォォン。
ドゴォォォォォォン。
繰り返し聞こえてくる爆発音。
壁の割れ目からシャドウスパイダーがあふれ出してくる気配はなし。
“うまくいっているのか?”
“音だけならよさげ”
“クモは死んだのか?”
“なにもわからん”
“楓、何かしゃべれ”
“穴を覗いてみよう”
“煙で何も見えんだろ”
“様子見か?”
“ガソリンで焼いたら経験値もらえるのかな”
「えっと……どう……なっているかな。なんか思っていたよりも派手にドカンドカン音が聞こえてくるから、若干不安になってきました……」
中で何かが暴れているのか?
火と煙で苦しくて、って可能性はあるよね。ほら、女王蜘蛛的なやつがいたら、とか?蜘蛛ってアリみたいに女王蜘蛛がいるの? 何にも知らないな……。
ドンドンドンドゴォォォォォォォォォォォォォォン。
「えっ、何⁉ さっきまでとは違う爆発音⁉ すごい地面が揺れている! 地震⁉」
ヤバい⁉ これヤバいの⁉
ボスが出てきちゃう流れ⁉




