第124話 マキカエレイ特別配信 その24~プレイ中のボクを置いてけぼりにして、攻略手順考えるのやめてもらって良い?
ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉくまぁぁぁぁ。
「よし、もうスローリーピンクベアは余裕で狩れるようになった!」
レベルが32になったせいなのか、ドロップ品が出ることは少なくなっちゃったけれどね。
(さあ、肉を剥ぎ取りましょう)
「そうだった……。勇気がいるなあ。って、ナイフとかないんだけど」
ずっとチィタマの爪で戦ってきたからさ。
(がんばってください)
「爪で剥ぎ取るの? うまくいくかなあ」
(急がないと消えてしまいます)
「はい!……でもどうやって剥ぎ取れば? 内蔵とか怖いし、背中の辺りかな?」
“熊の胆は体に良いんだぞ”
“くまのキモ?”
“くまのい”
“胆のうだな”
“漢方か”
“よし、チィタマ。熊の胆を剥ぎ取れ”
“そして異世界で薬屋を開くのだ”
「コメント欄、無茶言うな! 肉を食べるかって話から、なんで薬屋を開くことになっているんだよ!」
(かえでくん、剥ぎ取りをするなら、コンソールを開いて、メニューから『剥ぎ取り』を選択してください)
「えっ、そんなのあるの⁉」
お、マジであった。
「『剥ぎ取り』をポチッと選択」
目の前に横たわっていたスローリーピンクベアが光のエフェクトともに消えていく。そしてインベントリーに『スローリーピンクベアの生肉』というアイテムが1つ追加されていた。
んー、システマチック! なんだか急にゲーム世界なんだなって、思い知らされるわ。
「『剥ぎ取り』って意外とスマートにできるんだね。これならジャンジャン肉だけ剥ぎ取っておこうかな」
食べるか食べないかはさておきね。
* * *
「んー、レベル34になってからずいぶん経つのに、ぜんぜんレベルが上がらないね」
そろそろ2階層でのレベル上げも限界かな?
ドロップ品もほとんど手に入らなくなってきたし。
“いよいよダンジョンボスのいる3階層か”
“魔物の平均レベルは?”
“たしかレベル40だな”
“それならしばらく銭投げでレベル上げればいけるか”
“銀貨も100枚超えているし、余裕でいけるだろ”
“しかし新しい武器は手に入らないな”
“初心者ダンジョンだから仕方ない”
“食べ物もも全然だな”
“飲み物はいくつか手に入ったからいけるだろ”
“いざとなれば、スローリーピンクベアの生肉を食べれば良いし”
“#かえでくんダンジョン飯に挑戦中”
“#かえでくんダンジョン飯に挑戦中”
“#かえでくんダンジョン飯に挑戦中”
「あのさー、キミたちこのゲーム詳し過ぎないか? プレイ中のボクを置いてけぼりにして、攻略手順考えるのやめてもらって良い?」
そういうのを考えるのは、実際にプレイしているボクの役目だからね?
(かえでくん、どうしますか? 視聴者のみなさんは、そろそろ3階層に下りることを提案していますが)
「そうだね……。そろそろ3階層に行ってみようかな。いきなりダンジョンボスの部屋オンリーのマップだったりしないよね?」
(それは下りてみないとわかりません)
「ヒントなしかあ。怖いな。推奨レベルの50まであがらないと、さすがにボスと戦うのはきついだろうし、通常マップの奥にダンジョンボスの部屋がある仕組みだと助かるんだけどな……」
そもそもダンジョンボスって、どんなヤツなんだろう。
ソロで挑んで大丈夫なのかな。普通こういうのって、パーティーで挑むものじゃなかったっけ?
「急に不安になってきた……。もうちょっと2階層でレベル上げてからにしようかな……」
“かえでがビビってるぞw”
“へいへいチィタマビビってる~www”
“ここではたぶんもうアイテムドロップしないぞ”
“3階層いけ”
“ボス部屋に入るのは、俺たちが夕方以降にしてくれよな”
“学校行かなきゃ”
“もう昼だぞw”
“大学生なんでー”
“昼休憩終わりの時間だ。サラリーマンはつらいよ”
“もう今日は学校サボるか”
“すでにサボってるw”
“ゆっくりレベル上げておいてくれよな”
“じゃあAFK”
“インターネットおじいちゃん!”
「みんないってらっしゃい。ここから同接が減る時間かあ。ていうか、ボクはいつまでこのゲームにログインし続ければ良いんだろう……。ボクがいない間に≪初夏≫のライブ、やっちゃったりしていないよね?」
(定期公演#11なら先日終わりました)
「なんだって⁉ そんな話一切話題に出ていなかったじゃん!」
(かえでくんがゲーム攻略に集中できるようにということで、かん口令が敷かれていましたから)
“もう言っても良いの?”
“黙っているのつらかったわw”
“あーライブ最高!!!!!!”
“あれがあれであれしていたしなw”
“メイメイがあの……これ以上は言えないなw”
“それにしてもMCコーナーのあれは度肝を抜かれたな”
“あれ!やばかったわw”
“もっかい見たい”
“アーカイブ配信ないの?”
“最高の回だったな”
「おいー! なんでボクが知らない≪初夏≫の話をお前らが! ズルいぞ!」
教えてくれーーーーーー!




