第116話 マキカエレイ特別配信 その16~それではまず、チェストを設置してホッパーをチェストにつなげるように設置してください
(テレレッテッテッテ~。かえでくんはレベル15になりました)
「はいどうも。この星で出会った最初の敵なのに強すぎなんだけど……。この先が思いやられる……」
相当レベル上げしてから無人島を出ないと、速攻ピンチに追い込まれそうな予感がする。なんならレベルMAXまで上げてから無双するタイプのムーブで行こうか。ラノベで流行りのやつ!
(それにしても惜しかったですね)
「何が? リトルマウスはちゃんと倒せたし問題ないでしょ」
(できれば『セクシー・チィタマ・ビーム』を使わずに倒してほしかったです)
「それは無理な相談……」
ボクに使えるスキルは2つしかなくて、『チィタマ・クロー・スラッシュ』がまったくダメージを与えられなかった時点で、『セクシー・チィタマ・ビーム』を使うしか……。むしろそれも効かなかったら完全に詰みだからね。
(リトルマウスの肉は大変美味だそうです。そして毛皮は温かく、牙や爪は武器の材料に使えるそうなのです。もったいなかったですね)
「それは……」
先に言ってよ!……と思ったけれど、言われても結局『セクシー・チィタマ・ビーム』で倒すしかないから、リトルマウスの素材を手に入れるのは無理なのでした。物理攻撃で倒せればなあ。
(リトルマウスを捕らえるための罠を仕掛けるのはどうでしょうか?)
「おお、無人島サバイバルっぽい! 穴とか掘れば良いのかな?」
落とし穴に先の尖った竹やりを敷き詰めておいて、そこに落とす、みたいな罠ならがんばれば作れるかも!
(それではまず、チェストを設置してホッパーをチェストにつなげるように設置してください。ブロックを5×5の正方形になるように並べて――)
「ちょっとちょっと! ちょっとストーップ!」
一旦説明するのを待って?
(なんでしょうか? もう一度最初から説明しますか? チェストを設置してホッパーをチェストにつなげるように――)
「違う違う違う! すでに1文字目からわからないから! 急になんで呪文を唱え出したの⁉ 罠を作る話じゃなかった⁉」
どこで話がすれ違ったんだろう……。
“アイアンゴーレムトラップかな?”
“アイアン……?”
“マイクラの罠なw”
“まさかのマイクラw”
“レイちゃんワロタwww”
“無人島もマイクラも似たようなものだからな”
“マイクラには村人おるから無人ちゃうぞ”
“そういうことではないw”
“よし、アイアンゴーレムトラップ作ろう”
“どうやって?”
“そんなの気合いだろw”
“KIAI”
“楓の一番好きな言葉じゃんw”
「気合いとか好きじゃないわ! マイクラ……あのブロックみたいなゲームの?」
(マイクラは老若男女問わず、世界で大人気のゲームです。個人で楽しむのも、仲間と協力し合うのも自由。とても自由度が高く、一生飽きることがないと言われています。まさに人生のようなゲームです)
めっちゃ早口でしゃべるじゃん。
「へ、へぇ……。名前しか知らなかったわ。あとたまに実況配信している人のプレイはチラ見するけれど、何か一瞬でブロック壊したり穴掘ったりして意味がわからなかった……」
そんなに人気のゲームだったのか。
ちゃんと調べてみる価値はありそう……地球に帰れたらね。
(マイクラについて理解したところで、罠作りに戻りましょう。それではまず、チェストを設置してホッパーをチェストにつなげるように設置して――)
「ちょっと! だから呪文を唱えるのをやめてってば! ボク、マイクラのことを知らないから、そのチェスト? とか言われてもプロレスの技かな? くらいにしか思えないんだってば!」
“チェ~~~~スト!”
“そっちが先に出てくるのワロタw”
“チェストは普通に英語だろw”
“なぜプロレスw”
“ハルルの影響だな”
“ハルルのプロレス技もたいがい古いからなw”
“しかも実践系ww”
“チェストはタンスのことだよw”
「チェストはタンス? そう、タンスか」
(そうです。まずはチェストを設置してホッパーを――)
「待ってってば! チェストの謎は解けたけれど、タンスがないんだよ! ここは無人島だからね! そもそも文明っぽいものがないから家もない!」
このまま夜になったら、野宿的なあれこれで、下手すると死ぬかもしれないのでは⁉




