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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

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第108話 マキカエレイ特別配信 その8~激烈に滑っているカエデをみんなでスクショしよう!

 やっと草原フィールドを抜けられた……。

 どれだけゴブリン出てくるんだよ……。


【またもや『チィタマ・クロー・スラッシュ』が決まった~! カエデ、ゴブリンだけを倒し続けて最強になるのか~⁉】


 なれるかー!

 もうゴブリン100体くらい倒したけれど、レベルが10からぜんぜん上がらなくなったわ! たぶんボクのレベル的にゴブリンが弱すぎて、経験値的にまずいんでしょ。知らんけど。


(かえでくん、見てください。あちらに山小屋が見えます。あそこに向かって最初のセーブをしましょう)


「おお、セーブポイントがあるんだ? 助かる助かる」


 ここまでがんばってゴブリンを倒したわけだし、やり直しはしたくないもんね。


【水車が回っていて、風情ある日本家屋ですな~。まるで山姥でも住んでいそうな気配が!】


「マキ……めったなことを言うもんじゃないよ……。そういうのってフラグになるんだからね」


 ゴブリン100体の次は、山姥と戦闘なんて嫌すぎる……。


(かえでくん、山小屋に入る前にセーブをしましょう。セーブのポーズをおねがいします)


 セーブのポーズ……?


(好きなポージングをして、そのまま10秒間静止してください)


 セーブってそういうのだっけ?

 ああ、『セーブ中は電源を抜かないでください』みたいなこと?

 OK、わかりました。

 んー、でもセーブのポーズって何?


 何も思いつかない……。

 適当で良いや。


「セーーーーーーーブ!」


【お~っと? カエデ、セーブのポーズだ! でもそれは、野球の審判が『セーフ』の時にやるポーズ……まさかのダジャレか~⁉ これ以上ないほどに滑っているぞ~! 激烈に滑っているカエデをみんなでスクショしよう!】


 うっせ!

 ほかに思いつかなかったんだから良いでしょ!……でもセーブ中だから動けない。


“めっちゃウケるw”

“全力でセーフw”

“だんだん顔から首筋まで赤くなってくるの最高じゃんw”

“効いてる効いてるwww”

“羞恥のポーズ?”

“セーーーーーーーフ!”

“本域でワロタwww”

“100000000枚スクショしましたw”


(かえでくん、ファンサービスおつかれさまでした。もうそのはずかしいポーズを解いても大丈夫です)


「恥ずかしいポーズって言わないで! それで、ここまでの冒険はちゃんとセーブできたの?」


 まさかのセーブポーズやり損になったら困る。


(冒険のセーブ……とは?)


「いや、だから……セーブ……でしょ?」


(人生は死んだら終わりのデスゲームです。何をセーブするんですか? 常に全力で行きましょう)


「そういう名言っぽいのは……ゲームのセーブを……」


(わたしの心の中には、かえでくんの活躍の様子をしっかりとセーブしました)


 これは……セーブとかないパターンだな……。ポーズを取らされただけか……。


(さあ、山小屋に入りましょう。サポートキャラとしてのアドバイスですが、他人の家に入る時には、きちんとノックして家主の了解を得たほうが良いですよ)


 はい……家主……。

 これ、やっぱり山姥的な何かと対決する流れなんですね……。

 緊張するなあ。


「うわっ、戦闘BGMっぽいのに切り替わった⁉ ゴブリンの時にもこんなのなかったのに!」


 ボスなの⁉ ボス戦なの⁉


【あ、ごめ~ん。スマホの着信音鳴っちゃった♡】


「マキ……わざとでしょ」


 知っているからね。

 マキの着信音って、レイから買い取ったボクのボイスが設定されているでしょ。着信の時に、そんな恐ろし気な戦闘BGMっぽいのが流れるわけないんだよね。


【あ~もしもし? しもしも~? そう、わたし。大女優の十文字真紀ちゃん。その株買いね。1兆円ほど追加でしくよろ~。バイチャ♪ 配信中に商談の電話が来ちゃった~。ごめんごめんご~めんごろにゃん♪】


 うざー。

 今時、電話で株の買い付けって……。


“さすがマキ姉さん、ぱないっす!”

“また儲かってしまったか”

“そろそろ会社を買い取れるな”

“カエデに特大のダイヤの指輪でプロポーズ”

“大女優はすごい!”

“その株買いだ!”

“人生で一度は言ってみたいセリフトップ10入りw”

“俺も買いたい”

“株式会社楓”

“ありそうwww”


「おまえら……なんでマキには甘いんだよ……」


 マキにしては相当に出来の悪い三文芝居じゃん……。

 

(かえでくん、早く山小屋を訪問してください。中の人が待ちくたびれています)


 あー、はいはい。戦闘ね……。


 めっちゃ日本家屋なのに、呼び鈴がデジタルっぽいインターフォンなの冷める……。訪問客を確認できるようにカメラがついているしなあ。


 ピンポーン。


「ごめんくださーい。誰かいますかー?」


 声を掛けつつ距離を取って、戦闘態勢へ!

 負けないぞ、山姥!


 と、勢いよく引き戸が開く。

 現れたのは――。


「チョリ~ッス♪ マ? 客? こんな田舎にあざまる水産営業中~♪」


 山姥……ヤマンバギャルナギチ……。


 もう帰って良いですか?


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