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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

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第45話 ユエユエ再び

「あれ、ここってもしかして……」


 この間ユエユエとデートした時の施設?

 あの時はアイマスクをして連れてこられたから、施設の外観はわからなかったけれど、中の造りは見覚えがあるぞ。


「ここは、みつきさんに与えられている施設です。外部ネットワークとは切り離されていて、外からも中からも干渉できない特別な場所になっています」


 なるほどねー。

 ユエユエの家なのかな。いや、家というには広すぎるか。1000人規模の観客が入れそうなステージもあったし、普通にコンサートホールって感じかな。


「へぇ~、初めてきたけれど、なかなか素敵な場所だね~!」


「……いや、なんでルーナちゃんは普通に存在していられるの?」


 外部ネットワークから切り離されているなら、インターネットの住人は足を踏み入れられたらおかしくないですか?


「ルーナちゃんに不可能はないのだ♪」


 ドヤ顔で抱き着いてこないで……。

 ルーナちゃんってボクみたいに実際の肉体を持っていないよね? こうして触っている感覚があっても、それは相手に「触っている」と錯覚させる脳内信号を送っているだけで? 認識合っているかな?


『大体合ってるよ~』


 ん? なんでボクの頭の中からルーナちゃんの声が? 目の前にルーナちゃんの姿が見えているのに?


「おっと、こっちだった。大体合ってるよ~」


「……ちょっと待って? まさかと思うけれど、こっそりボクの頭の中に入り込んだりしていないですかね?」


「しょうがないじゃな~い。そうしないとこの施設に入れなかったんだもん」


「どういうこと……?」


 ボクの脳内に入り込むと、この施設に入れる状態になる?


「かえでくんのデータの保全は、世界中でもっともプライオリティの高い命令です。何においても優先されるため、たとえ外部ネットワークとの接続が遮断されている場所であっても、例外処理されるようになっています。かえでくんは特別な存在ですからね!」


 レイがすごく鼻息荒く説明してくれたんだけど――。


「ごめん、ぜんぜん意味がわからない。つまりどういうこと?」


「かえでくん。とくべつ。とうとい」


「レイさん、なんで片言なの……」


「楓ちゃんの行動ログや位置情報なんかは専用回線を使ってバックアップを取っているんだよ~。たとえ地球が滅びても保全されるように、月と火星にもデータセンターを作ってあるし~」


 月? 火星⁉


「いったいボクは何なの……? 地球の最終兵器か何かですか……?」


「人類の希望です」


「そうですか……」


 まあいいや。

 あんまり深く考えても仕方ない。


「それでー、ユエユエはどこにいるのかな?」


「私ユエユエ。今あなたの後ろにいるの。ふぅ~~~」


「ひゃっ⁉」


 全身に鳥肌が!

 首筋に生暖かい風が……。


「私ユエユエ。今あなたに抱き着いているの♡」


 ずっしり重い感触があります……。

 ルーナちゃんの次はユエユエか……。


「みつきさん、はなれてください。かえでくんへのおさわりはご遠慮ねがいます!」


「そうだよ~。零ちゃん! あの女にも、きついアバアバ食らわせてあげて!」


 アバアバ。

 さっきのあれか……。ルーナちゃんが謎の電気ショックみたいなのを食らわされていたやつ。ユエユエに有効なのかな?


「小娘どもがピーチクパーチクと~。もともとカエくんは私のものだからね!」


「いけません! かえでくんはかえでくん自身のもので、だれのものでもありません!」


「誰のものでもないならわたしがもらう~♡」


 やめて……。3人で揺さぶらないで……。脳が揺れる……。


「あばばばばばばばばなんでわたしだけばばばばばばば」


 ルーナちゃん、理不尽過ぎてかわいそうになってきた。

 

「あばっ」


 あ、ひっくり返って動かなくなっ……消えたわ。

 ルーナちゃん本人が気絶すると、投影されていた姿も見えなくなるのかあ。まあ、そりゃそうか。


「さて、邪魔者も1人消えたし~、あっちで語り合おっか!」


「わたしはかえでくんの保護者なので同行します」


 レイさん、腕にしがみつかないで。当たっているどころか、めりこんでるからね? もうわざとどころの騒ぎじゃないよね?


「みつきさんには大きさでも形でも負けません」


「大事なのはバランスよ?」


「かえでくんの好みを細かくチェックした結果のバランスです。わたしが最強です」


「生意気な……」


 レイとユエユエは何の戦いをしているの……。ボクを巻き込まないで?


「わたしは楓ちゃんと一心同体から、わたしの勝ち~♡」


『ね~♡』


 ルーナちゃんが再起動した(起きた)


「ルーナさんはお呼びではないので黙っていてください」


「何を~! わたしと楓ちゃんは同じ存在あばばばばばばばばばやめてえええええええ」


 ルーナちゃんは学習しないAIプログラムだなあ。

 再びおやすみ。


「それで~、カエくんは遠路はるばるここまで何をしに来たのかな~?」


 ユエユエ……急に正気に戻るのやめてもらって良いですか?

 まだボクの背中にしがみついたままだけど。


「遠路はるばるねぇ……。この間ここに来た時は、タクシーに乗せられて30分以上は走った気がしていたけれど……この施設って余裕でうちの会社の敷地内じゃないですか! なんなら本社ビルの目と鼻の先だし!」


 普通に徒歩数分で着いてびっくりしたわ!


「それはそうでしょ~。私、勝手に敷地外に出られないし?」


「そういうルールでしたね……」


 あの時気づいていればすぐに推測できたのに。


「それでな~にかな~? お姉さんに愛の告白? 娘の彼氏からなんて困っちゃう♡」


「彼氏ではないですが……」


 もちろん彼女でもないです。


「この間のデートの時にはゆっくり話ができなかったから、もうちょっとユエユエのことが知りたいなって思ったんですよ」


 恋愛的な意味ではないですよ?


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