表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

741/754

第38話 『歌ですべての人を笑顔に』というコンセプトを基に、ほかのメンバーは集められていった

 恋に恋するただの女の子?


 ユエユエ――秋月美月さんのイメージとは真逆のように感じられる。

 あんなに完璧な人が恋なんてするわけないって思えちゃうよね。そもそも1人でしっかりと立てるのに、誰かと寄り添い合って生きる姿なんて想像もつかない。


「つまりそれって、ユエユエはトップアイドルになることを望んでいなかったってことですか?」


「そうだな。秋月美月の中に、そんなに大きな夢はなかったよ」


「でも、ユエユエは『歌ですべての人を笑顔にしたい』って」


 それが夢だって。それが目標だって。


「それはアイツが持たせた目標だ。秋月美月の中から湧き出してきたものではないよ。最初から今に至るまで、アイツが望む通りの秋月美月を演じているに過ぎない」


 それを聞いて、なぜかボクは、強烈な違和感を覚えた。

 どこに違和感があるのかはわからない。だけど、そんなわけないと強く思ってしまったんだ。


「秋月美月は生まれた時から孤独だった」


 生まれた時から?

 

「美月が生まれてすぐに、両親はその特異性に気がついたらしい。2歳の時に受けさせた知能検査で、両親の疑念が事実として確定する。秋月美月はすべてのテスト項目で非常に高い数値を叩き出した、いわゆるギフテッド――天才少女というやつだった。幼少期の美月は、同年代はおろか、両親、周りの大人たちとも会話が成立しないほどの頭脳を持っていたのだよ」


「ああ、ホントにいるんですね、そういう人って」


 ギフテッドね。たしか、人口の2%とかでしたっけ?

 天才かー。きっとAIのボクよりも演算能力が高かったりするんだろうなあ。


「美月は7歳の時に単身アメリカに渡り、10歳の時には3つの分野で博士号を取得している」


 なんじゃそりゃ。マンガの主人公かな?


「単身? 7歳ってまだ小学生ですよね」


「大学だな」


「いや、すみません、日本の年齢的な意味でってことです。なぜ単身でアメリカに? ご両親はどうされていたんですか?」


「父親は美月の天才性に嫌気がさしたのか、早々に育児を放棄し、離婚して行方知れずになった。母親のほうは、その母親――美月の祖母の介護のため、日本を離れることができなかったんだよ」


「なるほど……。その状況でも1人でアメリカに……」


 淋しいとか、怖いとか、そういう感覚は……ないんでしょうね。

 自分のやるべきことがわかっている。そんな感じなのかな。天才だし。


「アメリカのとある大学で研究職に就いていた美月は、15歳の時に失踪する」


「えっ⁉ 突然なんですか⁉」


 失踪って何⁉


「表向きな理由は公表されず。7年後、同大学に復職をするまで、その足取りは不明、ということになっている」


「ということになっている?」


「美月は名前を変え、日本でアイドル活動を始めたからな」


「あ、そうか。なるほど! その失踪の期間が≪BiAG≫としての活動期間……。名前を変えて?」


「正確にいえば名前と顔を変えて、別の人間――秋月美月として日本のアイドル界に降り立ったということだよ」


「『秋月美月』は偽名……いや、芸名なんですね。そっか。メイメイは夏目姓だし、まあそりゃそうか」


 そうなると、本名は夏目美月なのかな?


「秋月美月は、アイツが作った≪Believe in AstroloGy≫というアイドルグループの中心メンバーでありながら、プロデューサーとしての一面も持ち合わせていた。『歌ですべての人を笑顔に』というコンセプトを基に、ほかのメンバーは集められていった」


「七瀬マネージャーはただのマネージャーではなかったし、ユエユエもただのアイドルではなかった、と。最初から『歌ですべての人を笑顔にする』ために動いていたんですね」


 ≪BiAG≫は、七瀬マネージャーとユエユエが2人で始めたプロジェクトだったってことか。

 

「『歌ですべての人を笑顔に』というコンセプトを掲げたのはアイツだよ。バカみたいな笑顔で、当時アメリカで大学教授だった美月に『アイドルにならないか』と声をかけたところからすべてが始まったんだ」


 ユエユエはそれに乗っかった形なんですね。

 

「なんで七瀬マネージャーはユエユエに声をかけたんですかね? わざわざアメリカの大学にまで押しかけて」


「そんなことは知らん。その脳のどこかに、記憶の残滓があるんじゃないか? 自分で探してみると良いだろう」


「えー、そこは知らないんですか⁉」


 急にぶん投げられた……。


「アイツのことはよく知らん。私が知っているのは秋月美月のことだけだ」


 なんでちょっと怒っているんですか……。

 まあ、麻里さんはユエユエの古くからの友人だから、ユエユエ側の話は聞いているってことですよね。


 七瀬マネージャー側の話は、ボクが思い出すしかないってことか……。

 わりと昔話が混んできたような気がするのに、ここまで何の引っ掛かりもないなあ。ちょっとくらい記憶が蘇ってきても良いはずなのに……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ