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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

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第31話 ルーナちゃん召喚魔法『ルーナちゃん好き好き愛してる。チュッチュしたい、今すぐに』

 ユエユエがアイドルをやめた理由が七瀬マネージャーの傍にいるためだとすると、ユエユエの相手がほかの誰かである可能性は限りなく低くなる……よね。


 けれど今のユエユエ――武道館ライブの前のユエユエが、その重大な決心をしているようには見えないね。

 ということは武道館ライブの後……になるのかな。


 しかしなあ、一緒に1曲パフォーマンスをしただけでも、ユエユエの気持ちの盛り上がりは相当なものだった……。

 これがもし長時間のライブだったとしたら、そのライブ終わりにはどんなテンションになってしまうんだろうね。


 気持ちが盛り上がり過ぎて、そういう行為に至っても……?

 いやー、さすがにそれは妄想が過ぎるか。


 だいたい七瀬マネージャーは、武道館ライブを見に行くことができないほどの状態だったんだもんね。意識があったのかどうかまではわからないけれど、入院中の患者とそんなこと……ない、よね?


 こんなことはユエユエ本人に訊けないよねえ。

 いや、訊いても無駄だったわ。

 だって今ボクたちの前にいるユエユエは、武道館ライブの前のユエユエなんだし、そういう行為に至ってはいないはず……いや、まだ武道館ライブの後にもそういう行為があったと決まっているわけではないんだけど……。


 あー、もう!

 真実に近づいているような気がするのに、ここから先には進めない!


 ユエユエは答えを持っていないとしても、ボクのほうはどうなんだ?

 ボクは≪BiAG≫が武道館ライブをした後の記憶も持っているんじゃないか? 受け継いだ記憶の中にその部分がありさえすれば……。


 この記憶に関する原体験のトレースができれば……。


 でも原体験のトレースって、ルーナちゃんがサポートしてくれたあの1回だけしか成功していないんだよね。ボク1人で何かできるものではないのかもしれないな。もう一度ルーナちゃんにサポートをお願いするか……。



* * *


「というわけなんだけど、協力をお願いできないでしょうか……?」


 ルーナちゃん召喚魔法『ルーナちゃん好き好き愛してる。チュッチュしたい、今すぐに』を唱えて、なんとかルーナちゃんの呼び出しに成功。

 下手下手に出つつ、今回の経緯を詳細まで説明したわけだけど――。


「ムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリ~~~~ヴェデルチ!」


「えー、なんでよー。助けてくれたらいっぱいチュッチュするし?」


 これはボクのことでもあるし、メイメイのことでもあるし、なりふり構ってはいられないのです。

 やっと掴んだ細い細い糸のようなもの。ここで諦めるわけにはいかないのですよ。

 

「いくら楓ちゃんの頼みでも、チュッチュされたとしても無理なものは無理なの~! わたし、まだまだ消えたくないから~!」


 顔の前で大きくバッテン。

 目もバッテン。

 ルーナちゃんは完全拒否の構えだった。


「これってやっぱり、麻里さんに怒られる系?」


「怒られるっていうか……特別プロテクション?」


 なぜ疑問形?

 

 まあ、予想はしていましたよ。

 ボクの素性に関係することに該当するかもなーってね。


「だから助けてって言っているんだよ。原体験をトレースさせてくれって言っているんじゃなくて、前回みたいにその手前まで。あとは自分で何とかするし……」

 

 方法はわからない。

 でもナイフで刺したりとか、そういうのも……がんばるつもり……。


「そうじゃないの。これだけはホントに無理なの。わたしだって助けてあげたいんだけど、これだけはム~リ~!」


 手伝うのも無理ってことなの……。

 なんでそんなに無理なんだろう。


「ボクの正体に迫り過ぎるから? でも、もうすでにある程度はわかっちゃっているしなあ」


「違うよ~。それはもう強引にこじ開けちゃったでしょ。あれはあれで危ない橋を渡ったんだけど、ギリギリ生き延びたしセーフセーフ」


 まあそうだよねー。プロテクションを外しちゃったわけだし、今さらボクが七瀬マネージャーではないって結論に至るのはさすがにないよね。だとすると隠したいのは――。


「メイメイの父親の正体……?」


 ふむふむ。

 こういう時、ルーナちゃんはわかりやすくて助かる。


 それまで情緒たっぷりに話をしていたルーナちゃんが、能面のような表情で空を見つめていた。


 つまり、これが知られたくないこと。

 ルーナちゃんに特別なプロテクションを掛けた人物が隠したいことなんだ。


「楓ちゃん、この件に触れるのはもうやめよう?」


 しばらく時間が経って再起動したのか、ルーナちゃんの目に光が戻っていた。

 けれど、その目は本気でボクのことを心配しているように見えた。


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