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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第19話 【非公式】七瀬楓誕生祭2025 その3~口にすると問題になる研究って何さ……

 うれしすぎる……。

 まさかメイメイから手編みの手袋をもらえる日が来るなんて。


 誕生日って最高か?


 とってもあったかい……。

 色合いがちょっと派手かなーって思ったけれど、ずっとクリスマス気分でいられるし、これはこれで――はっ⁉ まさか、クリスマス=12月25日=メイメイの誕生日=メイメイ=ずっと私のことを考えて、ってことじゃ⁉

 これはボクだけに向けられた特大のレスなのでは⁉

 いや、まあそりゃそうか。ボクの誕生日にくれたんだから、ボクだけか……。へへへ。


「コーチ、変な顔をしてどうしたんですか? お腹痛いですか?」


「あ、サクにゃん。次はサクにゃんの番?」


「そうです! お誕生日おめでとうございます!」


 ぺこりとお辞儀をした後、テーブルを挟んでボクの正面に座る。


「お菓子の食べ過ぎでお腹が痛いですか? それなら最近開発したこちらをどうぞ!」


 と言ってサクにゃんがテーブルの上に置いたのは、金属の缶に入ったドロップス。


「あ、これってこの間の『スーパーサクラ式ドロップス』?」


 喉が痛みがとれるやつだ!


 紅白歌合戦は残念だったよね……。

 あとでシオに集計結果を聞いたら、たった12票差だったってさ……。

 白組:70543票。

 紅組:70531票。


 なんかもう、ここまで行ったら勝ちたかった……。


「『スーパーサクラ式ドロップス~カエデそれおはじきやない、喉リペアドロップスや』ではありません! 『スーパーサクラ式ドロップス~カエデそれおはじきやない、ポンポンポンポコリンドロップスや』です!」


 ポンポコリン?


「リペアするのは喉ではなく、食道から下の臓器です! 喉リペアドロップスの姉妹品です!」


「胃薬みたいなものかな?」


「そうですね! 12時間に渡ってすべての消化器官の粘膜を強力に保護します。それからナノマシンで傷んだ箇所の修復を行います。これで消化器官を休ませることができるのと、詳細な健康診断を実施し、ガンや潰瘍などの問題箇所の発見、および簡易的なオペが可能となります」 


「えっ、すごい……」


 人間ドックいらなくなるんじゃない?

 またとんでもない発明を……いやそんなまじめな研究なのにボクの名前を使ってふざけるのはやめよう?


「現在、本格導入に向けて、医学学会と厚生労働省を巻き込んで調整中です。早ければ今年中に特区を設けて一般利用が可能になります!」


「医学界の革命じゃん……。サクにゃんはどこまで行っちゃうの……?」


 もうノーベル賞とか取っちゃうレベルでは?


「チーム開発ですから、サクラ1人の功績ではないです! 何より、コーチのおかげでこの研究の速度が上がっているんですよ!」


「ボク? 何もした覚えがない……」


 ああ、もしかしてあれ?

 精神的な支柱とか?

 ボクがいるだけで安心するからがんばれるよーみたいな?

 いやー、照れるなあ。


「コーチが定期的に人体実験にお付き合いしてくださるので、研究データが容易に取れることで助かっています!」


「ちょっと待って……人体実験? 聞いてない……」


 ボクはいつそんな実験をされているんだ?


「……すみません! 今の話は忘れてください! このジュースすごくおいしいですね!」

 

 話の逸らし方へたくそか。


「人体実験ってなんですかー? ちゃんと教えてくれないともう手伝いませんよー?」


 と、まあ、こんな初歩的なカマかけに引っかかるわけないか。


「それは困ります! 朝晩決まった時間にナノマシンを体内に取り込んでいただかないと、定点観測ができず、実験データが取れなくなってしまいます!」


 サクにゃんは引っかかるんだなあ。

 この素直さがサクにゃんの魅力の1つだからね。

 ノーベル賞を取っても、変わらないサクにゃんでいてほしいな。


「なるほどね。朝晩決まった時間かあ。ということは実行犯は――」


 レイさんですね。

 コーヒーの中か。


『いいえ。わたしではありません』


 あ、いた。

 今日はずっと無視していたくせに、こんな時だけ言い訳をしに出てくるなんて。


『ナノマシンを混ぜたらコーヒーの味が落ちてしまいますから、そんなものは混ぜていません』


 ホントにぃ?

 じゃあどうやってボクにナノマシンを飲ませているの?


『わたしは飲ませてなんていませんよ』


 じゃあレイはやってないってこと?


『かえでくんが寝ている時に注射しているだけです』


 もっと原始的な方法だったわ。

 そしてやっぱりレイが犯人だった。

 ボク、寝てる時に毎日注射されてたの……。怖い……。


『細い針ですから、跡は残りません』


 そういう問題じゃないんだけどね……。


「コーチ! これからもどうか人類の発展のために研究に協力をお願いします!」


「……まあ、気づかないくらいの注射なら別に良いけどさ」


 でもそういうのは黙ってやらずにちゃんと告知してくれないと困りますよ?


「ありがとうございます! では、これからも引き続き、消化器官の未病発見研究、皮ふ病の根絶研究、発達障害の改善研究、運動機能の向上実験、視力回復研究、その他口にすると問題になる研究の数々にご協力をお願いします!」


「……いや……口にすると問題になる研究って何さ……」


 それだけ聞くと、ボクってただのモルモットじゃん?


 ピピピピピピ。

 タイマーの音がする。


「は~い、桜ちゃんの番は終了で~す! 審査結果は後ほど発表しま~す」


 だーかーらー!


「ではコーチ、本日はおめでとうございました!」


 サクにゃんが深々と一礼すると、会議室から出ていってしまった。


 知りたくない真実を知ってしまった気がする……。


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