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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第15話 ウーミー、覚悟を決める

「お話します。ですが、この場にいる方の中だけに留めていただきたいんですの。わたくしは……楓さんにグラビアの撮影にはついてきてほしくないと思っていますの……」


 ああ、やっぱりボクはNGなんだ。つらい。


「ですがそれは、楓さんのことが……嫌いということではなく……」


 ウーミーの頬を一筋の涙が伝う。


 ええっ、何で今のタイミングで泣くのよ?


「わたくしは……」


 もうその後、ウーミーはただ泣くばかりで、何も言葉が出てこなくなってしまった。


「海さんたら。まったく、しょうがないわね……」


 ウタが若干呆れたように呟く。

 

 何も、わからない……。

 ウーミーとウタだけがわかっている何かについて、ボクとハルルとナギチは何も掴めずにいた。


「なんていうか……ボクのことは嫌いじゃないけれど、仕事にはついてくるな、ということだけはわかったよ……」


 理由はさておき、ウーミーが仕事をするうえでボクがいると邪魔になる。

 それだけははっきりしたってことで良いかな。

 これ以上訊くと、ボクのほうが泣いちゃいそうなので、もうカンベンしてもらっても良いですか?


「私が代わりに言ったほうが良いかしら?」


 いや、ウタさんから言われるのはちょっと……。

 たぶん言葉のナイフが鋭すぎて、ボクのHPが0になってしまいそうなので……。


「大丈夫……ですわ……自分で……」


 無理しなくて良いですわよ?

 たぶん聞いてもあんまりうれしい話でもないですし……。


「まああれでしょ。ボクはメイメイの担当マネージャーだし、ほかのメンバーのヘルプで何かをする時でも、ウーミーのことを担当しなければ良いだけだから、大して問題はないよ。嫌われていなかっただけで良かった、かな……」


 精一杯の強がり。

 これ以上何かあったらホントに泣いちゃいそう……。

 ハルル……まだギリギリ大丈夫だから、ハンカチはしまって? ハルルはやさしいね。ナギチのそれは何? 宇宙柄の……ハンカチじゃないよね。三角巾なの? 調理用の? 振袖を着ているのに何で今そんなものを持ち歩いてるのさ。いつでもおいしいお菓子が作れるように? それは良い心がけだと思うけれど……調理用の清潔な布で涙は拭けないよ。だからまだ泣いてないし!


「楓さん……」


「はいっ!」


 ウーミーに、急に袖を引っ張られる。

 危なっ。転ぶところだったじゃん。

 振袖は引っ張ったらグーンってなるからやめよう?


「理由……説明しますわ……」


「……はい」


 わかりました。

 そこまで言われたらボクも覚悟を決めて聴きます。

 だけど……泣いて走り去っても追いかけてこないでね……。


「楓さんに仕事についてきてほしくないのは……わたくしが仕事に集中できなくなってしまうからですわ」


「……ん? どういうこと?」


「楓さんに見られていると思うと……その……」


 ウーミーモジモジ。


 いや……これは……ボクの視線がキモいってことですかね……。生理的に無理とかそういうやつだわ……。

 ウーミーの水着を舐めまわすように見ているから……そういうことですよね……。ごめんね、キモくて。自分のことを性的な目で見ているマネージャーがいたら仕事したくなくなるよね。でもホントのホントにたまーにだからね? なんかそういう気分になることがあるだけだから! ずっとそんな目で見ているわけじゃないから、どうかそこだけは勘違いしないでほしい!


「ウミ。私もその気持ち、すごくよくわかるわ」


 ハルルがウーミーの手を取る。


「春さん……。春さんならきっとそうだと思っておりましたわ」


 微笑むウーミー。

 ウーミーの頭をそっと抱き寄せるハルル。


 なんだこれ?

 よくわからない感じで2人が通じ合っている……?

 でもハルルのことを性的な目で見たことなんてありませんよ? もしかして違う?


 ナギチは?


 あ、置いてけぼりだ。

 ポカーンとしている。

 

 ちょっと安心。

 ボクだけ意味がわかっていないわけじゃなかったみたい。


「やっぱりそうよね。カエデちゃんと2人きりで仕事だと緊張しちゃうわよね」


「そうなんですの……。春さんはそういうことが多いと思いますが、普段どうしていますの?」


 抱き合ったまま何かを語り合う2人。

 もうちょっと外野にもわかるように……ってボク外野じゃないじゃん。当事者じゃん。


「そうね~。私の場合は……逆に『私を見て!』ってアピールしているかも?」


「さ、さすがですわ……」


 何がさすが何だろう。

 ハルルと2人の仕事……まあ、それはだいたい朝西関係が多いけれど……アピール……めっちゃされているかも。ボディタッチもめちゃくちゃ多いかも。耳元で「好き」って言ってくるかも。


「わたくしにもその勇気があれば……」


 何の勇気なの、それ……。

 たぶんハルルのマネはやめたほうが良いと思うよ? ハルルはちょっと特殊だし。


「ですが、わたくしがその……あれでも……良いんですの?」


 ウーミーがハルルから離れて、その表情を確認するように見つめる。


「私? もちろんよ! どうせライバルはいっぱいなんだし、正々堂々がいいわ!」


 ハルルが小さくウィンク。

 ライバル? 正々堂々?


「そうですのね……。それならわたくしも覚悟を決めますわ」


 ウーミーがそう言って一度大きく深呼吸をする。それからボクの前へとゆっくりと近づいてきた。


「楓さん!」


「は、はい!」


 え、目つきが怖い。……何?


「好きですわ!」



 ……は?




 …………えっ……どういうこと?


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